岩国市議会 > 2012-06-14 >
06月14日-04号

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  1. 岩国市議会 2012-06-14
    06月14日-04号


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    平成 24年 第3回定例会(6月)平成24年第3回岩国市議会定例会会議録(第4号)平成24年6月14日(木曜日)――――――――――――――――――――――――――――――議事日程(第4号)平成24年6月14日(木曜日)午前10時開議┌───┬───────────────────────────────────┬───┐│日 程│       件                   名       │備 考│├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 1│会議録署名議員の指名                         │   │├───┼───────────────────────────────────┼───┤│第 2│一般質問                               │   │└───┴───────────────────────────────────┴───┘――――――――――――――――――――――――――――――本日の会議に付した事件 目次に記載のとおり――――――――――――――――――――――――――――――出席議員(31人)   1番 桑 田 勝 弘 君  13番 村 中   洋 君  24番 桑 原 敏 幸 君   2番 河 合 伸 治 君  14番 姫 野 敦 子 君  25番 渡   吉 弘 君   3番 河 本 千代子 君  15番 長   俊 明 君  26番 重 岡 邦 昭 君   4番 越 澤 二 代 君  16番 石 原   真 君  27番 田 村 順 玄 君   5番 渡 辺 靖 志 君  17番 前 野 弘 明 君  28番 山 田 泰 之 君   6番 貴 船   斉 君  18番 細 見 正 行 君  29番 坪 田 恵 子 君   7番 片 岡 勝 則 君  19番 縄 田 忠 雄 君  30番 大 西 明 子 君   9番 片 山 原 司 君  20番 林   雅 之 君  31番 藤 重 建 治 君  10番 石 本   崇 君  21番 松 本 久 次 君  32番 渡 辺 和 彦 君  11番 植 野 正 則 君  22番 味 村 憲 征 君   12番 豊 中 俊 行 君  23番 武 田 正 之 君 ――――――――――――――――――――――――――――――欠席議員(1人)8番 藤 本 泰 也 君――――――――――――――――――――――――――――――説明のため出席した者       市長             福 田 良 彦 君       副市長            白 木 勲 君       教育長            佐 倉 弘 之 甫 君       水道事業管理者        上 村 高 志 君       政策審議官          村 田 光 洋 君       総務部長           藤 井 章 裕 君       総合政策部長         中 岡 正 美 君       基地政策担当部長       杉 岡 匡 君       市民生活部長         赤 崎 忠 利 君       危機管理監          岩 﨑 伸 明 君       環境部長           松 林 達 也 君       健康福祉部長         廣 田 茂 基 君       地域医療担当部長       村 岡 一 男 君       産業振興部長         村 田 弘 君       農林水産担当部長       前 川 冨 美 男 君       都市建設部長         山 本 和 清 君       拠点整備担当部長       小 林 和 信 君       由宇総合支所長        山 本 昭 生 君       玖珂総合支所長        氏 木 一 行 君       本郷総合支所長        井 原 富 士 男 君       周東総合支所長        竹 森 英 雄 君       錦総合支所長         松 藤 幾 治 君       美川総合支所長        杉 山 良 彦 君       美和総合支所長        松 田 清 君       会計管理者          小 田 修 司 君       教育次長           多 谷 本 清 晴 君       監査委員事務局長       丸 茂 辰 夫 君       農業委員会事務局長      清 光 辰 夫 君       選挙管理委員会事務局長    河 原 義 生 君       交通局長           山 近 剛 君       水道局副局長         高 田 博 昭 君       消防担当部長         藤 本 博 己 君       環境部参事          吉 岡   孝 君       健康福祉部参事        藤 井 栄 子 君――――――――――――――――――――――――――――――会議の事務に従事した職員       議会事務局長         松重和幸       庶務課長           樋谷正俊       議事課長           木原宏       議事調査班長         桝原裕司       書記             林孝造       書記             村中俊一郎       書記             渡部多津哉――――――――――――――――――――――――――――――午前9時59分 開議 ○議長(松本久次君)  皆さん、おはようございます。所定の出席議員がありますので、会議は成立いたしました。これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配付しておるとおりでございます。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第1会議録署名議員の指名 ○議長(松本久次君)  日程第1 会議録署名議員の指名をいたします。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、9番 片山原司君、10番 石本 崇君、11番 植野正則君を指名いたします。―――――――――――――――――――――――――――――― △日程第2一般質問 ○議長(松本久次君)  日程第2 昨日に引き続き、一般質問を続行いたします。 17番 前野弘明君。 ◆17番(前野弘明君)  皆さん、おはようございます。 冒頭に当たりまして、三笠宮寛仁殿下の薨去に対し、深く哀悼の意を表したく思います。日本人にとって、天皇家の存在は、日本精神――大和心の象徴であり、家庭の規範でもあります。日本国に支柱があることを、誇りに思っている一人でございます。 さて、本日私が質問いたしますのは、混迷する時代にあって、日本人としてもう一度見直してほしいものがあり、自信を取り戻し、元気になってほしいと思うからでございます。 既に御存じのように、2012年という年は、世界の主要な指導者が一斉にかわる年であるというふうなことはいろいろなところで言われております。 また、マヤ暦を根拠に、2012年12月21日前後にこの世は終わると言う人もいます。惑星直列による変化が起きると言う人もいます。フォトンベルトにより、2012年12月23日、人類は新次元に進化するとも言われております。 その上、我が国において、ことしは、明治維新後144年目の節目に当たり、維新の完結のときであるとも言えるわけであります。ここで、国家のあり方について見直し、制度疲労から脱却するチャンスも与えられたと思っております。 どちらにしても、大きな変化が始まるであろうことは確かなことではないかと思います。いや、既に始まっているとも言えます。 では、主義主張から見た変化について言えば、一つは、名誉革命と産業革命がもたらした民主主義と共産主義の解決と、二つ目には、利己主義の呪縛からの解放ではないかと思うわけであります。 その哲学的基礎を構築することで、国家のあり方が決まってくるわけであります。つまり、国と地方のあり方も決まります。 今は、肥大化した国家組織をスリムにして、効率的な瞬発力を持ったものに変えなければならないときであり、地方分権が願われているわけであります。 国としては、専管事項の防衛や外交を中心とした政策に取り組み、地方は住民に近いところの権限を持つということになるわけでありましょう。 ところで、私は議員生活18年の間、「地方力」ということで、自助・共助を中心とする新しい時代に備えてきたつもりであります。地域が自立し、自動的発展をするための方策を模索してまいりました。 真の奉仕精神を涵養するためのボランティア活動、江戸しぐさに学ぶコミュニティー形成、家庭再建を中心とする教育体制、地域と学校を結んだ思いやり見守り活動や塾活動等を進めて、新しい時代に向けて試行作業をしてまいりました。 今後の地方自治にとってキーワードとなるものを「地方力」と言っておりますが、ここで、この内容について少し述べてみたいと思います。 自助・共助が土台の自動的発展をもたらす考え方でございます。話が長くなってはいけませんので、その中の「存在論」についてだけ述べてみましょう。 すべての存在は、みずからだけで存在するということはなく、他者との関係をもって存在します。このことを「合目的性」といいます。日本の国家は、都道府県と市町村という自治体からなっておりますが、国と地方の関係も「合目的性」による役割分担があるわけであります。 子供が大人になるように、3割自治から自律自主の関係、支え合う関係へと移行していかねばならない時代圏に突入しております。つまり、みずからを維持しながら国に対しても責任を持つという合目的があるわけであります。 さて、岩国は維新のとき、時代をリードしていました。特に郷土出身の東澤瀉・敬治両先生は、「陽明学会」を創設し、維新後の日本を支える多くの指導者を育ててきました。 また、岸元首相は、大東亜戦争と長州の問題を解決するといって巣鴨プリズンを出て、自由民主党結成に尽力し、総理大臣となり、安保改定を実現し、日韓条約を結び、韓半島の民主と共産の問題を解決されようとされました。この地に生まれ、政治に携わる者として、日本国に対して責任があると思っております。 そこで、市長の地方分権時代における地方自治体の体制づくりについて、今回は方向性や施策の結果、今後の課題についてお尋ねする時間といたしました。 質問の1として、国との関係について。 国会議員を経験された福田市長だから言える国と地方の関係を披露していただきたく思います。国防協力都市岩国ですが、市長として国防のほかに、国との関係でどのような施策をお持ちでしょうか。構想と進行中のもの、実践した結果についてお答えください。 2番目、理想とする市役所について。 市役所は、岩国市唯一の、ある意味行政サービスの独占企業であります。職員の人材育成について過去何度かお尋ねいたしましたが、サービス業の模範を示す状況になっているでしょうか。 臨時採用職員と正規職員の仕事内容が逆転しているのではという声も聞くことがあります。職員が短期間で交代するために、市民との関係の引き継ぎがうまくいかないで、不満を感じる市民もおられるようであります。 市長にお尋ねしますが、岩国市役所は「いってみたい市役所」として機能していると思われますでしょうか、自己採点したらどのぐらいでありましょうか。 行政サービスは、なかなか数値にあらわせないところが多いと思っておりますが、好感度数ということで、何らかの形で来庁された市民の感想のうち、本当に満足された数をカウントし、判断してみたらどうでしょうか。市長のお考えを、導入してみるかどうかという点でお述べください。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  皆さん、おはようございます。前野議員御質問の第1点目、地方力による維新についての中の、(1)国との関係についての、国防のほかにどういう政策を持っているのかを問うについてお答えいたします。 現代は、地方分権の時代へと向かっております。平成23年4月と8月に成立した「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」、いわゆる第1次・第2次一括法では、国が法令で地方公共団体の事務の実施やその方法を縛っている義務づけ・枠づけの見直し・都道府県の権限を市町村へ移譲する基礎自治体への権限移譲などが定められております。 また、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めることのできる活気に満ちた地域社会をつくることを目指す地域主権改革により、国と地方の関係は上下関係から対等なパートナーシップ関係へと転換し、明治以来の中央集権体質からの脱却など、この国のあり方が大きく転換しようとしているところでございます。 このような中で、私の考える国と地方との関係でございますが、国の役割は、日本の進むべき方向を見据え、外交、国防など国際社会における国家としての存立にかかわることや高速道路、公的年金など全国的に統一が必要な分野を担うことであります。 一方、地方の役割としましては、地域住民の暮らし、地域経済や文化の発展を支えていくことであり、住民に最も身近な自治体として、住民の視点から地域の個性を生かして、しっかりと住民福祉の向上を図っていくことであると考えております。 そのためには、自治体自身も政策形成能力や企画力を高めるための体制整備や人材育成の充実強化をする必要があります。また、住民視点に立った行政を進めるためには、行政、市民、企業などがさまざまな政策課題などについて、協働して取り組んでいけるような仕組みが必要であり、そのための基盤づくりを進めてまいります。 次に、国との関係での施策でございますが、私は常に市民の立場に立って、市民の声によく耳を傾け、国に対しては「言うべきことは言う」という姿勢で積極的に行動してきております。 その中で、これまで粘り強く国に要望してまいりました岩国錦帯橋空港が、いよいよ本年12月に開港することが決まり、本市は、陸・海・空の交通機関が存在するという、15万人規模の地方都市としては、全国に例を見ない特徴を持つ市となるわけであります。 今後、地域の特性や資源を全国へ情報発信し、岩国の魅力を高めていくとともに、新たな交流や企業誘致により、地域の活性化を図り、一自治体として、国づくりを担っていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎副市長(白木勲君)  第1点目の地方力による維新について、(2)理想とする市役所についてお答えいたします。 まず、ア、「いってみたい市役所だろうか」についてでありますが、市役所は、その名のとおり、市民のために役立つ仕事を行うところであり、市民に最も身近な基礎的自治体として、福祉の増進を図るために必要なサービスを提供していくところであると認識いたしております。 よりよいサービスを提供し、市民に満足していただくためには、職員全員がニーズをしっかり把握し、正確・迅速に、そして好感の持てる姿勢で職務に当たることが求められております。 そのためには、接遇能力の向上や臨機応変に物事に対応できる人材の育成が必要であり、現在、岩国市職員接遇指針や岩国市人材育成基本方針を定め、朝礼・部長会議・職場内研修・職場外研修等を通じて、接遇等に係る服務の徹底や職員の資質向上を積極的に図っているところであります。 こうした取り組みにより、最近では、以前に比べて窓口対応・電話対応などの接遇もよくなり、市政に対する満足度も高くなっているなどの声も聞かれ、一定の成果は上がっていると考えておりますが、その一方で、依然として厳しい指摘が寄せられていることも事実であります。 接遇などの市職員としての資質は、日々の積み重ねによって身につくことから、常に市民サービスの担い手であるという意識を忘れず、職員一人一人が明るく温かく親切に、心を込めた応対を心がけ、市民が市役所に気軽に訪れて、気持ちよく帰っていただける職場づくりに懸命に努力を続けてまいりたいと考えております。 次に、イ、「好感度数」を導入することについてでありますが、昨年、ブータンの国王が来日され、国民総幸福量という、これまでのお金や経済だけでなく、人々が幸福と感じられる社会の実現こそが重要であるとの日本人にとっては新しい尺度が示され、人々の共感を呼びました。 前野議員の御提案は、この考え方と同様に、物質的なサービスだけでなく、心を込めたサービスを提供することで、市民に親しまれ愛される市役所にしていこうとの趣旨であろうかと存じます。 市役所において、サービスを受けた人が、その応対に対して、どの程度好印象を持ったかを数値であらわすことは、職場及び職員一人一人がみずからのサービスを振り返り、また、目指すべきサービスの方向性を探るためにも、有益なものと考えております。 現在、市といたしましては、市長ホットラインを設け、積極的に市民の皆様の声に耳を傾け、その声を市政に反映できるよう努めておりますが、今後、目安箱の設置、市民窓口アンケートや声かけ運動など各種の有効な手法を取り入れて、市民サービスの向上を図り、好感度数100点を目指したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆17番(前野弘明君)  それでは、まず2番目のといいますか、住民サービスについての具体的なお話から入りたいと思います。 接遇指針というふうに言われましたが、接遇指針の方向性とかあり方とかというのを多分書いてあると思いますが、江戸しぐさでも紹介いたしましたが、結局、人は癖になったら楽にいろいろできるわけでございます。ですから、癖にするために何度か初めに練習をする。それでいろんな企業では、朝、社訓を唱和してみたり、心構えの唱和とかといったことをやっているところがあるわけであります。そういったことをやっている部署、箇所があるかどうか、また職場外研修におきましても、昔、ホテルで研修をしているというところがあったというふうに聞きましたけども、そういったことはどうなんでしょうか。実際あるかどうかということで、何かありましたらちょっと御披露をお願いします。 ◎総務部長(藤井章裕君)  先ほど副市長の答弁の中にございましたように、役所各部署において朝礼等を行っているところでございます。その朝礼の中において、それぞれの部署におけるある程度の統一、お互いの意識の共有化等を図っているところでございます。 そうした中で、内容につきましては各部署の所属長に任せているというようなことで対応しているところでございます。 今、議員がおっしゃいましたのは、ホテル等の接遇経験を積んでみてはというような御意見だと思いますけど、外部においての研修は今のところは実施していない。ただ、先々のことを考えますと、接遇というのは大変重要なことであるから、その辺をどういうふうに考えていくかというのは検討の一つになろうかと思っております。 ◆17番(前野弘明君)  紹介したことがあるかもしれませんが、江戸しぐさの中にある一つの場面といいますか、当時の家族がどういうふうな生活をしていたかを、実は先日、テレビでもやっておりました。タイムワープして、現代の人が江戸時代を旅行するというのがありました。 その中にも少しは出ていたんですが、当時、朝起きたらまず御機嫌伺いで、向こう三軒両隣にあいさつをして回る。それが済んだら、自分の仕事を「使役(しえき)」といいまして、仕事をしに行く。仕事が大体午前中ちょっとぐらいまでで済んだら、今度午後は「傍楽(はたらく)」といって、周りを楽にすると書きますが、奉仕活動をしていたと言われます。それで、夕方ごろになると「明日備(あすび)」といって、あしたに備えるという意味で家族団らん等をやっていたというふうに言われております。 そして日が暮れると寝るという非常にエコな生活をしていたみたいでございますが、それに見るように、初めはあいさつであるというふうになるんです。いろんなところであいさつ運動とかというのをやっているのもそれであったということ。ということは、朝のこれから接遇しますというときに、あいさつの練習という意味も含めて、ちゃんとしたあいさつをできるようにするということもいいことではないかなと思っております。これをぜひとも取り入れられたらいいのではないかと思いますが、各部署の主体性に任すということが先ほど出ておりましたが、各部署において、まずはちゃんとしたあいさつができるかどうかと。 もう一つ、大人の入り口に入るあいさつがあるんです。それは何かというと、世辞を言うといいますか、「おはようございます。きょうは元気そうですね」とか、そういう一言を入れるというのがありますが、それを子供たちにも訓練させると、だんだん大人との会話がうまくいくようになると言われますが、そういうふうにあいさつがきちんとできれば、それからいろんなものが始まっていくんじゃないかというふうに思います。これは強制してやるようなものではないと思うんで、どうかというふうなことは問いませんが、それを参考にしていただき、今後の朝の時間の有意義な使い方ということで、職員の皆さんに工夫されるようお伝え願えればというふうに思います。 次に、先ほどの答弁の中にもありましたけども、岩国市役所というところは、岩国市で唯一のいろんなサービスを受けられるところではないかなというふうに思います。 そういう意味で、職員の中に、サービス業においては岩国市役所がトップ――頂点にあるんだというふうな意識があるかどうか。その辺はどう思われますでしょうか。 ◎総務部長(藤井章裕君)  まず、頂点という考え方が非常に難しいところがあろうかと思います。例えば三角形等の奇数の角を有する多角形におきましては、確かに図示した場合には頂点というものがあらわれるかもわかりませんが、動かせば頂点がかわるという形で、決してもうそれで固定というものではなく、流動的なものだと思うわけでございます。そうした視点から考えると、サービスの頂点という考え方ではなく、別の考え方をいたしますと、サービスというのは御存じのように無形のもので消費者――お客様ということになろうかと思いますが、それに対して利便性や肉体的、心理的な満足感を与えるものがサービスと言われているんではないかと思っております。 その中で、一般的にサービス業というのは、御存じのように飲食店とか宿泊業、情報通信業務とかいろんな業種があるわけでございますけど、そうした業種につきましては、お客様、消費者がサービスを期待して訪れます。それで、期待にこたえられるものが得られたら満足感を得られると。それで、再度利用してもらえるという繰り返しのシステムになろうかと思います。 しかしながら、市の提供する業務につきましては、来庁される方々の6割から7割が窓口業務というところに来られます。回数といっても必要に応じてということですから、そんなにたびたび役所に来られる方はおられない。その短い市民の方々との接点の時間において、いかに好感度を持って帰っていただくかということを考えますと、その一瞬にかけるといったら大げさな話にはなりますけど、その中において職員がいかに気持ちよく、また会話の中にも心遣い、気遣い等を含めた形で接客できるかにかかってきているかと思います。 そうしたことを考えますと、市の接遇を通してのサービスについては、大変重要なものだと位置づけているところでございます。 ◆17番(前野弘明君)  要するにその意識があるということで、頂点という言い方はひょっとしたら妥当ではなかったかもしれませんが、自分たちが模範だと言われる意識があるかどうかという意味で聞きました。 こういうことを通じてもわかりますように、岩国市というところではいろんなことがあるということで、職員の皆さんもやっぱり人間ですから、朝起きて気分が悪いときにはなかなかいいスタートができないはずでございます。それは同じでありますから、朝の出発のときというのは、自分の気持ちがそこに乗っかっていけるようにする準備が必要だということであって、サービスができるところに乗っかる方法をそれぞれ考えていくと。これを癖のように繰り返していけば、それは楽に出てくるようになるということなんです。 だから、繰り返しにより癖にする、習慣化することで、サービスに楽に入れるということで申し上げました。 それから、先ほどちょっと壇上で申し上げましたけども、職員が異動するときに、なかなか引き継ぎができないという状況があるということを聞いておりますので、その辺もよく配慮をお願いできたらというふうに思います。特に、集金業務なんかは大変だと思います。そういうところにいらっしゃる方々というのは、本当にいろんな意味でいろんな方がいらっしゃいます。そういう気持ちをいつも整えておかなくちゃいけないということで、大変だと思いますが、そういうところだからこそ常にやるべきことじゃないかなというふうに思いました。そういう部署にいらっしゃる方々は大変だろうけども、その訓練をいつもしておかれるように希望しておきますので、よろしくお願いいたします。 それから、今度は初めのほうに返りますけども、国防協力都市宣言を求める決議を岩国市議会はいたしましたけども、国防という国家にとって非常に大事な崇高な使命を担っているということでしたわけでございます。これはある意味では、お金を目的にとかそんなものではないというふうに思っておりまして、そういう意味で、再編交付金とかありますけど、交付金よりは国防政策費とかという名前で呼んだほうが妥当なのかなというふうなことを最近強く思っておりますので、努めて私は国防政策費という呼び方をしたいというふうに思っております。 そういうふうなことは、国との関係の中で市長が対等にお話ができる一つの大事な要素ではないかなというふうに思っております。そういうことで、そういう地方力というものを通じて、ある意味では国と本当に対等に話し合える一つの基盤づくりというものも必要である。 それで、先ほど申し上げましたように、地方力というのは自助・共助と言いましたけども、この自助・共助自体も、みずからの助け、またともに助け合うという、これはやはり合目的なんです。要するに、自分だけではなくて周りもという話があるわけです。こういう二つを基本にしていろいろと政策を立てていくのが地方力によるまちづくりでございますけども、現在進んでいる地方分権というのは、市長におかれましては、何か一つ物事の考え方があるとしたら、もう自分なりの表現でよろしゅうございますが、何とか主義とかいろいろあるでしょうけども、そういう表現をした場合には、福田市長におかれましては、どういうふうに表現されるでありましょうか、何かありましたら、よろしくお願いいたします。 ◎副市長(白木勲君)  今、地域主権改革ということが言われておりまして、何々主義というふうな言葉であらわしたらどうかというふうな話がございました。全国的には地元の声とか、市民の声をとにかく吸収していくんだということで、地元に行って、地元の声を聞くということで、現地現場主義というような言葉がよく使われております。 福田市長の場合、1期目のときに市長が常に申しておりましたが、対立から協調へというふうなことで、いろんなものを含めながら、目標として岩国市民の対立をなくし、行政と一体となっていろんなことを進めていきたいということで、今も当然のことながら、その気持ちを忘れているわけではなくて、対話等もしていきながら、そして協調ですから協同調和し、市民一人一人と一緒になって、市民と行政とが一体となって協力して働くというか、ものを進めていくということで、きょうのところは協調協働主義というふうに申し上げておこうと思います。 ◆17番(前野弘明君)  いろんなやり方があると思います。 ただ、今いろんな指導者の出現というのを願われているところでございますが、日本はなかなか指導者が出ないということで問題になっているようでございますが、そういう観点からいたしますと、やはりもう四面楚歌――すべてが敵に回ろうともこれだけはやらなくてはいけないといってやってきたことが、やっぱり最後にはいい結果が出たりすることもあるので、それが指導者に課せられた一つの大事なところではないかなというふうに思います。 そういった意味では、確かにいろんな方が言われることは聞かなくてはなりません。だけど、その中でそれでもこちらに行ったほうがいいんだよと言わなくてはいけないときがあるということです。 そういうことをいつも気持ちの中に入れておかれることが大事かなというふうに思います。ポピュリズムというのは、皆の言うことを聞くから、あっちだこっちだとか、右左に動いてしまうといいます。一番たくさんの情報を持っており、一番いろんなことが見えている立場にある指導者というのは、方向性はこうなんだということは、やっぱり外してはならないことではないかと思います。それを忘れないことが私は大事だというふうに思います。それが一貫性を持って市民を引っ張っていく市長としての立場ではないかなというふうに思っております。 これは答弁というか何というか、感想だけ。このことについてどう思われるのかというのをちょっと市長にお聞きしたいと思います。 ◎市長(福田良彦君)  行政課題のみならず、いろんな問題、課題が、岩国市のみならず国においてもあります。その中で、我々選挙の洗礼を受ける政治の立場にある者とすれば、いろんな局面に当たりましても、いろんな声をしっかりと聞いていく。前野議員御指摘のようにいろんな声というのは、時にはサイレントマジョリティー ――声なき声もしっかりとアンテナを張って情報収集しながら、最終的にはいろんな決断、判断をしていかなければなりません。 そういった中で、これまで決められない政治とか、決めない政治という言葉もありましたが、そうであるとすればいろんな不作為の中でいろんな損失も出てまいります。最終的には我々が責任を持って決断し、それをしっかりと市民の方々にも説明しながら理解を求めていく。こういったことも我々には求められているというふうに思っておりますので、しっかりそういった政治的なスタンスといいますか、気持ちを中心に据えながら、しっかりと間違いないように行政運営をしてまいりたいというふうに思っております。 ◆17番(前野弘明君)  特に岩国市は基地を抱える町として、国防とかの関係が非常にある町でございますので、いろんな場で決断が迫られるということがあると思います。 日米安保条約は皆さん御案内のように1970年以降は1年ごとに改定するという状況になっております。日米安保というのは私たちにとってどれだけ大切なのかなということをしっかりと考えながら、その都度いつも気持ちの中に岩国市は、我々も含めて指導者は特にその辺を考えておかなくてはいけないんじゃないかなというふうに思ったりいたします。 日米安保自体が持っているものは、先ほど合目的と言いましたが、確かに一つは日本の国を守るためでもあります。でももう一方で、アジアの平和を守るためにもあるんだということ、その辺は大事なところだと思うんです。そういう崇高な使命があって岩国市があるんだということ、しっかりと押さえていただきたいなというふうに思っております。でも言うべきことはちゃんと言うわけです。そういうことは大事だというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 さて、2番目に、岩国市のインフラ整備という観点から申し上げたいと思います。 これは、この地域が持っている方向性を中心とした立場で物事を考えたときに、やはり一番基本に持っておかなくてはいけないのは、インフラ整備だと言われます。人、物、情報というふうな観点から見たら、非常に大切かなと。特にこれから空港が開港いたします。そうするとやはりインフラ整備を問われる。例えば首都圏の方がこちらに来られて不便を感じられるかどうかということも、その辺と関係あるんだと思うんです。本当に1時間で都心、東京都と関係が持てるという、非常にいい位置にあるということは、いろんな可能性が出てくると思います。 そうすると、その可能性をより押し上げるためにも、やはり岩国市自体が持っているインフラの整備というのをやっておくことが必要である。地方ならではのインフラ整備もありましょう。ただ基本的に人、物、情報という観点は大事だというふうに思いますが、多分そのことに関しては非常にいろいろ腐心をされて――今回岩国南バイパスの南伸においても方向性がかなり出てまいりました。そういった観点からして、市長が持っていらっしゃるインフラ整備に対する目標値というものに対してどのぐらい達成していると、今思われますでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。 ◎総合政策部長(中岡正美君)  インフラ整備の達成度という御質問ですが、インフラ整備の達成状況につきましては、平成22年に総合計画の前期基本計画に対する市民意識調査を行いまして、達成度をはかる指標としまして設定しております157指標について、満足度や各分野における目標数値の実績をもとにどのくらい達成されているかとの評価を行っております。 人という観点からにつきましては子育て支援など、それから物という観点からでは市内の道路整備あるいは公園の整備など、情報という観点からにつきましては情報通信基盤の整備などの項目がございます。これらの項目につきましては、いずれも施策の目的がおおむね達成されているとの評価となっております。今後も引き続き、目標達成に努めていきたいと考えております。 ◆17番(前野弘明君)  道のことでございますが、私は南伸推進ということでやっておりますけども、本当に岩国にとって大切なものがまだまだあるわけでございます。例えば玖西に向けて、玖北に向けて、そういう動脈の計画は、目に見える形のものを出していかなくてはいけない。そういうときがもうやってきているんじゃないかと思います。遅きの感がありますけども、こういうときですから、やはりその辺もはっきりと提示されながら行かれるといいんじゃないかなと思います。情報の面におきましては、市内で携帯電話がまだ通じないところが多分あるんじゃないかと思うんです。そういった配慮も必要である。いろんな方法を使って通信といいますか、情報交換できるために、まずできたら3系統だけは確保したいというふうに思うところでありますが、その辺からちゃんとしたインフラというものはどんなものであるかと。その辺の意識を高めていただき、例えば都会に行ったらどれだけの情報インフラがあるのかということも考えていただく。それと全く同じというのがいいですが、岩国でできることをやるという一つの目標を持っていらっしゃることが必要ではないかなというふうに思っております。 次に、これから地方自治というものが、地方分権という形で変わっていくというふうに言われましたけども、経済のあり方も大分変わってくるというふうに思います。 例えば、これはある番組で出ておりましたけども、里山資本主義という話があります。そういう観点から、中山間地域とかそういったところが本当に生き生きと発展するために必要なことがあるというふうに思います。里山資本主義というキーワードで申し上げたいんですが、その辺から考えて、岩国が何かそんなことをやろうとされているかどうか。その辺をちょっとお聞きしたいんで、よろしくお願いします。
    ◎副市長(白木勲君)  前野議員の質問は、なかなか国家国際的な質問や科学的な質問など難しいところがあって、的が外れていたらお許し願いたいと思いますが、里山資本主義というのは、身近にある豊かな自然から食料、燃料を手に入れて自立をした生活を送るといった感じというふうに私は受けとめておりますけれども、今そういった里山資本主義というのが注目されて、ライフスタイルとか地域経済に応用をするという動きも各地で広まっているようでございます。 当市の場合は山、川、海といった多彩な自然環境に恵まれております。特に中山間地域において、森林や農地という豊富な地域資源がございますので、そういったものを活用し、みずからの地域で地産地消に重点を置き、前野議員が言われる地域力を高めていくことについて、今は全く取り組んでいないというわけではありませんが、なかなか目に見えた形であらわれていないというのも実情であろうかと思います。 今後の大きな課題として取り組んでいこうというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆17番(前野弘明君)  里山資本主義に関して岩国でできる近道の一つは、ペレットの製造をしていました――ペレットでできると思います。ペレットの里山資本主義と、ペレットを使った資本主義の展開をされるといいんじゃないかなというふうに思いますので、その辺は担当者の方がよく検討されるといいのではないかというふうに思います。 さて、壇上でも申し上げましたけども、実は明治維新の発祥の地であり、明治維新以後も大切な人を育ててきた、そういう人が出てきた、陽明学の先生とかが出てきた岩国ということでございます。 そういう意味で、全国に先駆けていろんなことができるかもしれませんが、今例えば大阪維新の会とかいろいろありますが、本家本元の山口県が本当に日本を変えるんだという発想は必要なんではないかというふうに思います。 そういう意味では、岩国市におきましても、模範的な地方のあり方を示していくことができれば、全国の範となれば、全国でもいろんな意味で動いていくんじゃないかというふうに思います。それは歴史のいわゆる同時性、必然性でもあるのかもしれません。 そういった意味で、福田市長におかれては、本当に若い維新の士が頑張っていろんなことをやってきたように、今、そういうときが来ているような感じもします。市長としては、そういう動きをどういうふうにとらえていらっしゃるか、何かありましたら御感想なりをお述べくださればと思います。 ◎市長(福田良彦君)  先ほど陽明学のお話もされました。東澤瀉先生――正純先生の陽明学の教えも、地域のほうでは脈々と受け継がれているところであります。 そういった中で、明治維新胎動の地の山口県人として、そういった気概も持ちながらしっかりと地方から―― 一地方の一つの自治体でありますが、この地方からまた国を変えていくんだと、そういった気概を持ちながら、しっかりと国と対等の立場でこれからも物申していきたいというふうに思っております。 先ほど壇上でも述べさせてもらいましたが、まさに地方分権の時代の中で、まちづくりに関しては、国のいろんな制度、いわゆる枠組みの中で同じような町が点在しておったわけであります。しかしながら、そういった金太郎あめのようなまちづくりでなくて、市独自の魅力をいかに引き出していくか、また逆に地方のニーズに合ったまちづくりをしていくか。これに国や県が合わせていくといった対等の、また地方が発信するような時代にこれからなっていくと。そのために岩国市としても独自の政策なり、企画立案をして、それに合った制度等を逆に国や県のほうにお願いしていく、支援を求めていく、そういったこともあわせてやっていきたいというふうに思っております。 きょうは6月14日でありますので、私も一つ年を重ねまして42歳になりますが、まだまだこの世界では若いほうに位置しておりますので、若い発想でしっかりと行動力を持って臨んでいきたいというふうに思っております。 ◆17番(前野弘明君)  強い正義感と無欲・無我の精神が一人の指導者を育てると思います。しっかり頑張っていただきたいところでありますが、きょうがお誕生日であるということを、済みません、知りませんでした。(笑声)実は私の孫もきょうが誕生日でございます。(笑声)(「おめでとうございます」と呼ぶ者あり)1歳の誕生日を迎えますけども、きょうは記念すべき日だと思います。 さて、先ほど主義の話をちょっとしましたけど、西洋型の個人主義というのがもう限界になっていると。そういう中で、利己主義にも翻弄されておるというふうなことで、近代においては民主主義と共産主義の対立があったりしましたが、今はそれらすべてを乗り越えていく時代が来ていると。新しい時代のあり方というのはどうあるべきかというのがいろいろと言われておりますが、先ほど申し上げました幸福度の話もありましたけども、やっぱり家族が大切だというふうに言われます。 そういった意味では、これから先、東洋型家族主義というものをもう一度見直し、それを新しい時代に合わせていくときが来ているんだというふうに思います。日本が、聖徳太子の時代から、大和(やまと)という精神で、大和(だいわ)の精神で、道義国家という道を歩もうとしたということを言われております。それが今もなお続いているような気がいたします。 江戸時代を終えて開国した日本が、明治維新を通過していくわけでございますが、そのときに世界から、世界で最も親切な国だと言われ、子供たちの姿を見て、子供たちの天国だと言われておりました。 そういうものが土台になって、日本の殖産興業、いわゆる近代化が始まったんだということをもう一度思い起こしていただき、その辺から立て直しをしていけば、かなりいい方向に行くのではないかなというふうに思います。これから先、東洋的家族主義、それによる融和の思考で本当にすべてを乗り越えていかなくてはいけない。家族の中では利己主義が通らないわけであります。 そういう意味で、新しい方向性といいますか、地方にあって本当に灯台の明かりにもなるような町として岩国があればというふうに思い、今までいろいろやってまいりましたけども、もう一度そういう意味で道義国家への道を進む、その一翼を担うということで、岩国市が進まれることを切に願っているわけでございます。 新しい方向性をいろいろと持っていかなくてはいけない現在でございますけども、政治経済の形態はこれから変わってまいります。こういう中で本当に岩国が、そしてこの日本が本当に世界の立つべき立場に立っていける、そういうなくてはならない国になるように切望いたしまして、本日の私の質問にかえたいと思います。きょうはどうもありがとうございました。 ○議長(松本久次君)  以上で、17番 前野弘明君の一般質問を終了いたします。 7番 片岡勝則君。 ◆7番(片岡勝則君)  皆さん、おはようございます。7番 新和会の片岡勝則でございます。 本日は市長のお誕生日ということで、リーフレットを大概見ておったんですが、失念しておりました。おめでとうございます。 今月8日、梅雨入り宣言がされたものの、なかなか恵みの雨といかない天候が続いておりますきょうこのごろでありますが、市内、大方の地域で水稲の作付も終わり、農家の方も一息ついておられることと思いますが、これからは夏草との戦いが控えております。暑いさなかでの作業が続きますが、健康管理に十分留意され、収穫されるまでの間、台風や病害虫の被害に遭われることなく、無事、黄金色の秋を迎えられることを念願するものでございます。 それでは、通告に基づき一般質問を行います。 1点目、全国植樹祭について、2点目、地域防災計画について、以上、2点についてお尋ねいたします。 まず、第1点目の全国植樹祭についてですが、皆様方も御承知のとおり、去る5月27日、山口市阿知須きらら浜の山口きらら博記念公園スポーツ広場で、天皇皇后両陛下の御臨席のもと、第63回全国植樹祭が盛大に開催されました。全国植樹祭は、森林や緑に対する国民的理解を深めるための国土緑化運動の中心的な行事で、山口県での開催は1956年――昭和31年の防府市で開かれた第7回大会以来、実に56年ぶりの開催でありました。 「育むいのち」の大会テーマのもと、国土緑化推進機構会長であります横道孝弘衆議院議長が開会あいさつの中で、「いにしえの 人の植ゑけむ杉が枝に 霞たなびく春は来ぬらし」と、柿本人麻呂の歌を引用し、悠久の昔から森づくりの営みがあったことを紹介され、我が国の国土の7割が、なお森林として残されているのは、先人たちが森林を敬い、大切に守り抜いてきた並々ならぬ努力のたまものであり、現代に生きる我々はその森林の利用と保全を両立させながら、健全な状態で次の世代に引き継いでいくことが求められていると訴えられました。 そして大会のくくりとして、緑化運動のさらなる発展を図るために、以下の三つの重点項目を掲げ、大会宣言とされました。 一つ、森の恵みや多面的機能について、国民一人一人が認識と理解を深め、国民参加の森林づくりの運動の一層の展開を図る。 一つ、循環資源である森林・木材産業の積極的な利活用の拡大に努め、林業の再生・木材産業の振興と山村の活性化を図る。 一つ、次代を担う心豊かで健やかな青少年を育成するため、自然に親しみ、森に学び、緑をはぐくむ活動をさらに推進する。 以上三つの項目のうち、「循環資源である森林・木材産業の積極的な利活用の拡大に努め、林業の再生・木材産業の振興と山村の活性化を図る」について、本市として具体的にどのような取り組みをしていくのか、お尋ねいたします。 次に、第2点目の地域防災計画についてお尋ねいたします。 本市の地域防災計画は、平成19年3月に策定され、災害予防、災害応急対策、災害復旧・復興について、災害の種類ごとにその対応策が規定されており、昨年3月に起こった東日本大震災を受け、本市防災会議において本計画の見直しが図られたと思いますが、そうした中、先々月の4月22日、三井化学株式会社岩国大竹工場のプラント爆発による火災事故が発生し、この事故により社員一人が亡くなり、地域住民を含む25人の方が重軽傷を負うという痛ましい事故となりました。 幸いにして火災のほうは、消防の必死の消火活動によりまして、翌23日の午後2時31分に鎮火いたしましたが、このたびの事故により、触媒などに使用していた劣化ウランを含む廃棄物の入ったドラム缶3,379本が工場内倉庫に保管されていることが明らかとなりました。 本市は、瀬戸内海工業地帯でも有数のコンビナート群を抱え、また我が国、そして東アジアの安全保障上欠くことのできない米軍岩国基地もございます。こうした状況を踏まえ、改めまして想定される災害についてお尋ねいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  片岡議員御質問の第1点目の全国植樹祭についてお答えいたします。 大会宣言を受けての本市の具体的な取り組みについてでございますが、第63回全国植樹祭は、天皇皇后両陛下をお迎えし、5月27日、山口きらら博記念公園の式典会場において盛大に開催されました。県内外より約1万2,600人の方々が集い、岩国市からは、私を含め約280人が参加したところです。 今回の全国植樹祭は、「育むいのち 彩りの森・光る海・碧い空・燦めきの発進」を開催テーマとし、豊かな国土の基盤である森林・緑に対する国民的理解を深めるため、国土緑化運動の中心的な全国行事として、国土緑化推進機構と山口県の主催で行われました。 海浜部のみを会場とした植樹祭は全国で初めてということで、森林・川・海のつながりを体験し、海の豊かさとそれを生み出す森林の大切さを感じることのできるものでございました。 参加者記念植樹では、きらら浜北エリアの植樹会場において、親しみのあるものや、四季の彩りのある35種類を一人が1本ずつ植樹し、これに私も参加させていただきました。 表彰行事では、農林水産大臣賞や国土緑化推進機構会長賞などの緑化功労者表彰が行われましたが、岩国市の受賞者としては、中塚一廣さんが、地域の森林整備に尽力された功績により、平成23年度山口県緑化功労表彰を受賞されました。 なお、天皇皇后両陛下の御観覧席となったお野立所は、錦帯橋の優美な姿と精巧な構造をモチーフにしてつくられ、使用された木材は錦川流域の杉が用いられておりました。 関連イベント会場においては、岩国市からは錦帯橋の5分の1スケールの組み立て体験コーナーを開設し、錦帯橋の歴史や構造を紹介いたしました。 植樹祭の大会宣言でございますが、三つの重点項目からなっております。一つ目に、国民参加の森林づくり運動の一層の展開を図る。二つ目に、林業の再生・木材産業の振興と山村の活性化を図る。三つ目に、自然に親しみ、森に学び、緑をはぐくむ活動をさらに推進するとし、国土を守り、さまざまな命をはぐくんでいる森林を再生するとともに、豊かな森林や木の文化を未来に引き継いでいくことを目指した宣言がなされたところであります。 本市では、この全国植樹祭を契機に、木材利用をさらに促進していくため、県内においてもいち早く「岩国市の公共建築物等における木材の利用の促進に関する方針」を策定いたしました。 方針につきましては、公共建築物等の積極的な木造化、木質化を推進するとともに、健全な森林の育成・循環型社会の構築・地球温暖化の防止などにより、林業・木材産業の振興を図るものとしております。 今後につきましては、本市の山林で生産または加工された木材の利用促進に一層努めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎副市長(白木勲君)  第2点目の地域防災計画について、想定される災害についてお答えいたします。 岩国市地域防災計画は、災害対策基本法の規定に基づき、岩国地域における災害予防、災害応急対策及び復旧・復興に関し、防災関係機関や市が処理すべき事務や業務の大綱を定め、防災活動の総合的かつ計画的な推進を図り、防災関係機関と市民がその有する全機能を有効に発揮して、市の地域並びに市民の生命、身体及び財産を災害から守ることを目的といたしております。 対象となる災害といたしましては、暴風、豪雨、地すべり、洪水、高潮、豪雪、地震、津波、その他異常な自然現象などの自然災害及び大規模な火災、爆発、放射性物質・可燃物・有害物の大量流出、海上災害、航空災害、陸上交通災害、産業災害、その他大規模な人為的事故などの事故災害となっております。 また、片岡議員の御指摘がございました、4月22日未明に三井化学株式会社岩国大竹工場のレゾルシン製造装置で爆発事故が発生いたしましたが、本市の装束町から灘町までの海岸線沿いの工場群は、石油コンビナート等災害防止法で、石油コンビナート等特別防災区域に指定されており、岩国・大竹地区石油コンビナート等防災計画を策定していますので、岩国市地域防災計画には含まれていないということになっております。 本市においては、この特別防災区域内に、7社が特定事業所として指定されておりますが、この区域に、大量の石油類、高圧ガス、毒物・劇物その他の危険物質が、種々の装置・設備・施設等で、貯蔵・取り扱い・処理されているため、地震・津波により重大かつ特殊な災害が発生するおそれがあります。 想定される災害といたしましては、危険物タンクでは、可燃性液体の流出による火災、高圧ガスタンクでは、可燃性ガスの流出による爆発及びフラッシュ火災、毒性ガスタンクでは、毒性ガスの流出による人体への健康被害などであります。 これらの区域は、産業活動上の重要な拠点であり、重大な災害が発生した場合には周辺住民の社会生活に甚大な被害を与えるばかりでなく、国民経済にも深刻な影響を及ぼすことが予想されます。 また、南海トラフの巨大地震につきましては、内閣府に昨年8月に設置されました検討会において、科学的見地に基づき、想定すべき最大クラスの地震・津波の検討を進めてこられましたが、ことし3月31日に開催された会合で、岩国市での最大となる震度は6強、最大津波高は3.0メートルと報告されております。 さらに、国民保護法に基づき、武力攻撃や大規模テロ等から市民の生命、身体、財産を保護するため、万が一の事態が発生した場合に岩国市国民保護計画により、市民の避難や救援、災害対処などの保護措置を迅速かつ的確に対応するようになっております。 市といたしましては、こうした災害や事故に備え、今後とも安心・安全、災害に強いまちづくりを引き続き進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆7番(片岡勝則君)  それでは、順を追って再質問させていただきます。 このたび全国植樹祭を契機に、県内においていち早く大会宣言に沿った形で、「岩国市の公共建築物等における木材の利用の促進に関する方針」を策定されたということでありますが、この方針は、まさに木材の地産地消を推進していく上で大きな原動力となるものであり、高く評価させていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたしますが、この方針の中で市産材、または県産材を可能な限り積極的に利用するという規定がございますが、現時点で錦総合支所、本郷支所の新築、建てかえに当たり、既に先取りした形で錦産の木材を使用するとお聞きしておりますが、このことについて、また、これらの計画以外で今後市産材を利用した公共建築物の建築予定があるのかどうか、あわせてお尋ねいたします。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  今議員御質問の、今後、公共建築物の具体的な木造化の計画があるかということでございますが、今議員がおっしゃった錦総合支所と本郷総合支所以外については、現在のところございません。ただし、この方針につきましては、関係部署に周知を図って可能な限り木造化、木質化を図っていただくよう、周知徹底をしてまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆7番(片岡勝則君)  錦総合支所、本郷支所の建築計画については、議会のほうにも示されておりますので、あえてお尋ねは控えさせていただきますけれども、公共建築物の方針の中に学校とかありますけれども、本市のシンボル的存在であります錦帯橋についてなんですが、これは対象物件となるのかどうか、お尋ねいたします。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  この方針で示しております木材利用を促進する公共建築物等は、広く市民の利用に供されている公共性の高いものという位置づけでございます。錦帯橋についても、当該方針に基づく対象建築物の位置づけと考えておりますが、錦帯橋のかけかえに伴う用材の確保あるいは市有林を中心とした備蓄林の育成を進めていくということでございますので、よろしくお願いいたします。 ◆7番(片岡勝則君)  錦帯橋については、本市においても世界遺産を目指していくというところで、今それに向けて専属の部署を設けて市を挙げて取り組んでいるところでありますが、錦帯橋は第3代藩主吉川広嘉公のときに創建されまして、それ以来ずっと引き継がれているわけでありますが、恐らく当然のことながら、創建当初も豊かな錦川流域の材を使っての建築であったというふうに思うわけであります。 そうした中で、先ほど御答弁にもございましたけれども、今回の植樹祭において、天皇皇后両陛下が御休憩されたお野立所も錦川の流域材を使ったものであるということでありますが、植樹祭が済んだ後もきらら浜のほうにそのまま設置して、県内外から来られた方に見学していただくようになっておるというふうに聞いております。 また、大会の中でも5分の1のミニチュア版を組み立てる体験ができるコーナーということで紹介されたということでありますが、錦帯橋は県内外に向けて誇れるものでありますし、世界遺産化に向けたときに、市産材の活用といったものをぜひとも積極的に検討していっていただきたいと思います。 以前、森林・林業再生プランの質問をさせていただいたときにも触れさせていただきましたけれども、今、かけかえについては50年に1度というサイクルで行われておると思うんですが、これも技術の伝承ということで25年に一度というサイクルでいけば、30代で最初の経験をされた方も、次は50代半ばということで技術的にも熟練されてきた方がもう一回経験ができるということになろうかと思いますし、錦帯橋のかけかえによって市産材の消費拡大にもつながるというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。 錦帯橋の用材については、市有林等のほうで確保して計画されておられるということでございますが、錦帯橋にかかわらず、市内全体の公共建築物の建てかえについて、用材の確保として市内業者に発注するとかいろいろあると思うんですが、それもあわせて、市内にはすばらしい林業家もいらっしゃいます。 先ほど市長の答弁の中でございましたように、議員として大先輩であります中塚さんがこのたび表彰を受けられました。中塚さんは森林面積で100ヘクタール以上所有しておられると思うんですが、そのうちの60ヘクタール近くの搬出間伐を率先して実践しておられる方でございますし、こうしたすぐれた林家の方がおられます。林家の方は生産のノウハウも持っておられますし、また、どういった建物にどういった用材が必要なのか、どの木が適しておるかとか、そういった技術も持っておられます。そういったことを含めると、市が林家の方の木材を直接買い取るといったことも必要なんじゃないかというふうに私は思っております。 方法はいろいろあるかと思いますが、そうすることによって林家の方の所得にもつながりますし、今から生産、管理していく中で張り合いにもなってくるというふうに思いますので、このことも積極的な取り組みをしていただきたいと思います。重複するようですが、用材の確保についてこういう方針でいきたいというようなことがあれば、ちょっとお聞かせいただけたらと思います。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  議員の御質問の趣旨は、公共建築物の用材の確保について、しっかり市内産を、あるいはそこにいらっしゃる林家を有効に活用してほしいということだというふうに思います。 先ほども申し上げましたが、錦帯橋の用材の備蓄林は当然確保してございます。ただし、公共建築物の用材確保については、備蓄林指定をしてございませんので、今後は市有林のほか、今おっしゃいました市内の一般民有林を含め、間伐等の森林作業を適切に実施して、健全な森林整備に努め、優良木材を確保できるように図ってまいりたい。それで、地産地消についてはしっかり検討してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆7番(片岡勝則君)  よろしくお願いしたいと思います。 次に、森林・林業再生プランの中でも今年度から搬出間伐が義務化されたということで、ちょうどこの7日に、キャラバン隊が結成されまして、森林・林業再生プランの説明会が山口の林野庁のほうでございました。これは対象が森林組合と行政機関等が中心でありましたが、一般の参加も可能であったということで、私も参加させていただきました。 そうした中で、森林・林業再生プランを施行していく中で、林班における面積要件等、搬出間伐を実施する中で厳しいものがあったと思うんですが、それについて県等を通じて改正の要望をしていただきたいということで申し上げ、当局の御努力によって面積要件の緩和とか、搬出の補助率とかといった関係でかなりの改正がありました。そういった意味からは間伐の推進については多少は実施しやすい環境になったんではないかと思います。当局の御努力に対して敬意を表したいと思います。 このたびの方針の中でも間伐材を積極的に活用していこうということでございますが、そこで質問なんですが、間伐材をそのまま利用ということもありますが、集成材や合板とかに加工して使うという方法もあるかと思いますが、市内に集成材や合板の加工をする業者がおられるかどうか、お尋ねいたします。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  議員御質問の件でございますが、加工施設の現状は、岩国市には製材所、プレカット工場、ペレット工場、木材加工所が11カ所ございます。ただし、御質問の集成木材加工ができる施設というのは、現在県内には1カ所しかございません。したがいまして、公共建築物における間伐材の利用を促進するためには、集成材や合板を建築材料として利用する必要がありますが、県内に1カ所しか加工できる施設がございませんので、それ以外につきましては、施設の暖房などの燃料としてペレット化するということも考えていかなければいけないというふうに考えております。 ◆7番(片岡勝則君)  集成材の加工所については山口市のほうに1カ所あると思われますが、こっちから間伐材を搬出して、また山口市まで運んでということになれば輸送コストもかかって、市内産を確保して集成材として使うということはなかなか難しいと思いますが、以前私は愛媛県立の武道館を見学にいったことがあるんですが、そこは県内産の杉、ヒノキ、松の用材はそのまま使ったりとかいうことで、かなり大きな武道館を集成材でつくっておられました。 そういったことで、そのまま用材として使うよりは、集成材のほうが強度的には強いといったところもあるということで聞いておりますが、ケース・バイ・ケースでそういったことにも取り組んでいっていただきたいと思いますが、ペレット工場については県森連の工場が市内にございますので、それを積極的に活用していっていただきたいというふうに思っているところでございます。先ほどもちょっとございましたけれども、ペレットの利用促進といったことも視野に入れて、今後取り組んでいっていただけたらというふうに思っております。 戻りますが、植樹祭における三つの重点項目の大会宣言の中で、「自然に親しみ、森に学び、緑をはぐくむ活動をさらに推進する」というのがございますが、このことについて本市でどのような取り組みをしていかれるのか、お尋ねいたします。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  今、議員御指摘の自然に親しみ、森に学び、緑をはぐくむ活動をということでございますが、岩国市では毎年、森林浴あるいは植樹等の実体験を通して、森林の持つ多面的な機能や役割、それから緑の大切さや楽しさを知ってもらおうということで、交流・体験事業を開催しているところでございます。事業については、広く一般市民や子供たち、児童・生徒を対象とすることから、行政だけではなく学校、あるいは自治会、森林組合など関係機関で構成される委員会をつくり、協議会の中でこの事業を進めているところでございます。 その例で申し上げますと、会場を毎年旧市町村を巡回するよう設定し、7月から8月にかけまして開催しております岩国市緑化推進委員会主催の「森林浴と森林学習のつどい」が、平成23年度は由宇町で、24年度は美川町でそれぞれ開催してございます。 会場を周東森林体験交流施設丸太村を使用いたしまして、岩国地域林業振興連絡協議会の主催のもと、「里山文化のつどい」というものも開催しております。そのほか岩国地区林業研究グループ連絡協議会の会員の指導によりまして、和木町、あるいは市内の中山間地域の小学校6校も含めた延べ230名の生徒を対象に、10月から翌年3月まで森林教育活動を実施しているところでございます。 ◆7番(片岡勝則君)  ただいま御答弁の中で種々、子供に対する啓発活動といったことで取り組んでおられるということで、岩国地区林業研究グループ連絡協議会の御指導による体験では、230名といった参加があったということで、これは非常にすごい参加数だなというふうに思ったところでございます。こうして市内産の木材を積極的に活用していこうということで方針が定められ、そしてその中で、子供たちの森林に対する必要性といったものの醸成を図っていこうということでありますが、このことも単に森林の市産市消に係ることだけではなくて、本年度策定されました教育基本計画の中でも、本市の子供たちに対する「豊かな心と生き抜く力を育む」教育を進めていこうという中で、非常に必要なことであろうというふうに思っておるわけであります。 そうした取り組みの中で、教育委員会等との連携も図りながらしっかりと進めていかなくてはいけないというふうに思うんですが、今後この方針に基づいた推進を進めていく中で、ステップアップをこのようにやっていくんだというようなお気持ちをもしお聞かせいただけるんであれば、市長、御答弁をいただけたらと思いますが、よろしくお願いいたします。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  今、申し上げました活動でございますけど、中身について申し上げませんでした。これは植樹、炭焼き、シイタケのこま打ち、採取、伐採、それからアウトクッキングというようなことも踏まえて、多彩な体験を子供たちにしていただいております。 ということで、今後も関係する機関・団体と密接に連携を図りながら、今議員がおっしゃいましたように、ステップアップを図っていけるよう教育委員会とも協議してまいりたいというふうに思います。 ◆7番(片岡勝則君)  しっかりと取り組んでいっていただきますようお願いいたします。 それでは、次の再質問に移らせていただきたいと思います。本市の地域防災計画について、先ほど壇上からも言わせていただきましたけれども、三井化学の岩国大竹工場の事故によって劣化ウランがあったことがわかったということで、未使用の劣化ウランと、触媒として使用された廃棄物がそれぞれドラム缶に入れて保管されているということであります。地域の住民の皆さん、それから市民の皆さんが一番不安に思っておられるのは、管理そのものはIAEAや文科省の査察の結果、法的に適正な管理がされておるということでありまして、今の保管状態については適正であるということでありますが、これが爆発によってドラム缶が破裂し、中の劣化ウラン、それから廃棄物等が漏れたときに一体どうなるんだろうかといったことを不安に思われておると思うんです。現在、3,400本近いドラム缶の中身について、放射線量はどのようになるのかといったことをちょっとお尋ねしたいと思うんです。 ◎危機管理監(岩﨑伸明君)  未使用の劣化ウランと使用済みの廃棄物ということでございますが、福島でもございましたように――あれは原子炉内から出たものでございますが、私は放射線の専門家ではございませんけど、例えば風向とか風速とか、物質が飛散する速度といった条件によりまして、飛散範囲が変わってまいります。シミュレーションは大変困難でございます。 それと、今おっしゃいましたのはちょっとしたくずといいますか、触媒で使ったものですから、私は中をまだ見ておりませんけど、ちょっとした粉のような廃棄物だと聞いております。 ただ、今おっしゃいましたように文部科学省の調査員が測定した保管倉庫内の最も高い、今未使用と言われました空間線量が、9.15マイクロシーベルト・パー・アワーとなっていますが、これは管理区域内の労働者1時間当たりの法定許容量が20.8マイクロシーベルト・パー・アワーでありますので、許容値の半分以下になっておるということです。 放射線におきましては、アルファ線、ベータ線、ガンマ線――ここで言いますのは、空間線量はガンマ線の測定値でございまして、文献で見たんですが、通常のアルファ線であれば紙1枚ぐらいでとめられる。ベータ線であればアルミニウムの板で防ぐことができる。それで、ガンマ線におきましてはコンクリートとか鉛のようなものでとめられる。ただし、これは透過力が強いということでございますので、幾らかは漏れるといいますか、二重のドラム缶でやっていらっしゃいますけど、数値が9.15マイクロシーベルトと高くなっているわけでございまして、敷地境界でいいますと、0.1マイクロシーベルトとか自然界と余り変わらないような状態となっているわけです。 それで、自然界から人が常時受けている自然放射線の世界平均が1年間で約2.4ミリシーベルト、日本平均は年間1.5マイクロシーベルトということでございます。 いずれにしましても、三井化学株式会社の保安担当者によりますと、収納容器内の劣化ウランの値も容器の直近の測定値と大きな差異はないということでございますので、今保有されております劣化ウランから放出される放射線は低いものと思いますが、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律第3条に基づき、しっかりとした管理をしていただきたいということでございます。 ◆7番(片岡勝則君)  保管されておるドラム缶の中身については、今の放出されている線量と大した差異はないということで、仮に外的要因でドラム缶が破裂して外に漏れても安全性はあるというふうに私は理解させていただいております。 私も素人なので調べさせていただきましたが、劣化ウランそのものは重金属ということで、それが空中に飛散していくといったようなものではないということであります。地域住民の方にとっては、もしまた爆発を起こしたりして、それが飛散したり、そういったときにはどうするんだろうかというようなことが不安材料になっておると思いますので、これはまたいろんな機会を通じて、安全性が保たれておるというわけではありませんが、過度に反応をするまでではないといったことで、不安の解消を図っていくというのも必要なことではないかというふうに思っております。 次の質問に移らせていただきますが、想定される災害について壇上からも御答弁いただきましたけれども、災害によっては避難勧告や指示が出る前に、自主的な避難が考えられると思いますが、この自主避難に対しての規定といったものは、地域防災計画なりを見ても見当たらないように思うんですが、この点についてお尋ねいたします。 ◎危機管理監(岩﨑伸明君)  自主避難に関する具体的な協定はございませんが、自然災害に関しましては、住民または自主防災組織が、危険を感じたら早目に避難を開始していただきたいと思います。 ただ、コンビナート災害につきましては、有毒ガス等の飛散のおそれがありますので、むやみに避難するのは控え、災害を知ったら直ちに屋内への避難をしていただき、次の指示を待っていただきたい。 それからまた、避難勧告につきましては、発令基準を一応設けておりますが、地区地域対策班の意見や現地の状況などをもとに、早目の避難勧告の発令に努めたいと考えております。 ◆7番(片岡勝則君)  通常の自然災害でありましたら、災害を受けてとか、要綱に基づいて災害対策本部を設置して、それによって適切な避難指示を流すということでできると思うんですが、想定ということで、東日本でも想定外のことが起こって大きな被害があったわけなんですが、例えばコンビナート群のタンクが今回は2回の爆発ということでありましたが、誘発して次々に爆発していくといったような状況の中では、避難指示があるまで地域の方は待っておくといったことはなかなかできないと思います。 また、武力攻撃の場合も、ミサイルが来るのに指示があるまで待つといったこともできないと思いますので、自主避難ということに関しても、こういったときには地域の自主防災組織においてこういう避難行動がとれるんではないかといったことも折を見て自主防災組織のほうにアドバイスというか、そういったこともしていく必要があるんじゃないかというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、関連いたしますが、毒ガス、放射能漏れ、それから武力攻撃が起きた場合の避難先が、それぞれ防災計画では個々に設定されるようになっておりますが、地域防災計画における避難先も武力攻撃の際の避難先も同じであるというふうに私は認識しておるんですが、コンビナート等の防災計画については、避難箇所は限定はされておりますが、これも同じ避難先のように思うんです。 こうした特異な災害に対しては今の避難先でよいのかどうかということを疑問に感じるところでありますが、その件についてお考えがございましたら、お聞かせいただきたいと思います。 ◎危機管理監(岩﨑伸明君)  毒ガスとか武力攻撃等の避難先の現状でございますけど、一般的に災害が発生した場合の避難は、地区内や近隣の地区への避難となります。ただ、毒ガスとか武力攻撃、放射能漏れとかの状況によっては、市外や県外への一時的な避難の必要も生じてくるかもしれませんので、そういった場合は近隣市町と連携して対応したいと考えております。 ◆7番(片岡勝則君)  そういう災害の被害区域がどんどん広がっていく中では、やはりなるべく遠くといいますか、避難箇所を変えていかなくてはいけないと思うんですが、私が質問したのは、待ったなしの状況の中で、あってはならないことですが、例えばミサイル攻撃を受けておるとか、そういうときに今設定されている避難先が、小学校の体育館とか、公民館とかになっておりますが、例えば毒ガスが押し寄せてくるという中で、普通の体育館とかの場所では、それを抗し切れないというふうに思うんです。そこで質問なんですが、戦時末期に岩国も大空襲を受けて、爆撃機からじゅうたん爆撃を受けたわけでありますが、そういうときも空襲警報の発令がされて、地域の皆さんは防空ごうに避難されたと思うんですが、いわゆる防空ごう的なものも含めた中で、シェルターの設置の必要性というのがあるんではないかというふうに思うんですが、その件についてどのようなお考えか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎危機管理監(岩﨑伸明君)  防災シェルターによる安全の確保でございますが、今1基が100万円ぐらいからあるんです。4人が避難できるような鉄製か何かでできているのがあるんですが、そういったものもですが、相当な費用もかかりますし、またシェルターを設置するということになりますと、時間も要しますし、できるだけ的確な情報収集によって、住民の早期避難に努めたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆7番(片岡勝則君)  すべての市民が避難できるシェルターが設置できれば一番いいと思うんですけど、それは今おっしゃったように相当な費用と時間を要すると思いますので、それはなかなか難しいと思うんですが、今言ったように、岩国市の有数のコンビナートが控えておる地区、それから米軍基地の周辺地区、少なくともそういったあたりには緊急の避難先、安全を保てる避難先といったものを将来的には考えて設置するべきではないかというふうに思います。 スイスとかは核シェルターの設置率が100%ということで、アメリカも人口に対して80%近い設置率ということだそうですが、東日本大震災も想定外のことが起こってあれだけの被害が起きたわけであります。想定外を予想して防波堤を築かれた町長が、その当時発言されたときは何を言っておるんだというようなことでありました。そしてまた、子供たちの避難道として2階から裏山に通ずる橋を設置したらどうかといった提案をされた町議も、当初はどうなのかといったことでありましたけれども、最終的にはそういうことが役立って、地域の安全が守られたということがありますので、将来にわたってそういったことも十分検討していただきたいというふうに提言をさせていただきまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 ○議長(松本久次君)  以上で、7番 片岡勝則君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午前11時48分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後 0時59分 再開 ○副議長(貴船斉君) 休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 12番 豊中俊行君。 ◆12番(豊中俊行君)  12番 新和会の豊中俊行でございます。通告に基づき一般質問を行います。 先月の5月13日に在日米軍が硫黄島で公開した空母艦載機離着陸訓練――FCLPと夜間の離着陸訓練――NLPを視察いたしました。厚木基地・米軍岩国基地から約1,200から1,300キロの距離にあり、2時間余りで硫黄島に着きました。 この訓練は、予備施設に指定している米海兵隊岩国基地で行われる可能性もあるもので、目の前の滑走路を空母の甲板に見立て、狭い場所で安全に離着陸する技術を磨くタッチ・アンド・ゴーと呼ばれるものです。訓練の現場は、耳栓がなかったら耐えられない騒音で、戦闘機が離陸と着陸を繰り返すたびに、ゴーと内臓に響くような轟音はすさまじく、空気の振動でおなかが波打ち、耐え切れない騒音でした。 太平洋戦争末期に激戦地となった硫黄島。滑走路から数キロ離れた場所にある硫黄島戦没者の碑からも、相次いで急降下する戦闘機が見え、爆音が鳴り響いていました。空母への離着陸は昼夜を問わないため、この日は夜間訓練も公開され、1時間程度見学して20時ごろ戦闘機が離着陸する間を縫って硫黄島から出発して岩国に帰りました。 それでは、通告に従いまして一般質問を行います。今回は2点お尋ねいたします。 1点目は、小・中学校の統廃合について、2点目は観光行政についてです。 1点目、岩国市立学校配置計画は、岩国市の小・中学校の適正な学校規模や学校配置に向けての基本的な考え方を定めたものです。岩国市立学校適正配置に関する基本計画が平成21年2月に策定されました。 本計画には、よりよい教育環境の確保を目指して、学校規模と学校配置の両面から検討を加え、学校の適正化を図ることにより、さまざまな教育課題の改善に取り組む趣旨が書かれております。その中で適正化の方向で上がっている小学校は14校、中学校は3校とされています。意見交換などで耳にするのが、適正化という言葉をよく使ったり、やたら人数だけを言って、統廃合が論議されている傾向が見受けられるということです。効率化のみを求めてはならないと思います。特に小学校は地域の核となっており、さまざまなことで中心的な役割を果たしています。そこで、次の点についてお伺いいたします。 1点目、岩国市立学校配置計画の現状について、2点目、今後の取り組みと方向性についてです。 次に2点目は、観光行政についてでありますが、山口県は5月21日、2011年県内観光客動態調査の結果の確定値を発表しました。昨年1年間の県内観光客数は、2,702万5,000人で、前年より21万2,000人、0.8%増加しております。県観光課によりますと、上半期は地震の影響で減少したものの、下半期では「おいでませ!山口イヤー観光キャンペーン」のプレキャンペーンや山口国体、全国障害者スポーツ大会の開催効果などで大幅に増加したが、山口国体、全国障害者スポーツ大会観戦者数を除いた年間観光客数は、2,645万7,320人で、前年に比べて35万5,754人、1.3%減少しております。また、県下では9市町が前年と比べて増加しましたが、10市町で減少が見られました。 減少人数が最も大きかったのは岩国市で、東日本大震災に伴い米軍岩国基地の日米親善デーが中止になったことなどにより、前年よりも23万1,936人、7.2%減少したと新聞報道でありました。 さて、岩国錦帯橋空港は、平成24年度の開港ということで、今までは具体的な日程について示されておりませんでしたが、開港目標日がいよいよ12月13日と決定されました。全日空が羽田空港との間で定期便を1日4便就航させる予定です。 国交省は、開港初年度で35万人の需要を見込んでおり、地元の山口県は、瀬戸内海沿岸の岩国や周南コンビナートの企業群などのビジネス利用を加え、観光面での利用も期待しています。 空港はJR岩国駅から車で7分、同駅から直行バスも運行する予定であり、飛行機搭乗者の駐車場は無料になっています。 さて、ここで本題に入ります。全国の観光地が我が地へ観光客を引き寄せようと、あの手この手を講じて競い合っています。ぜひともそこへ行ってみたいという説得力を持った観光対策が必要ではないかと考えています。 私は、その観光対策の一つが、「だれにでも、そして、今すぐにでもできること」、そういう面でいうと、心のこもったおもてなしが大切な要素だと思っています。せっかく観光の目的地として選択して訪れてくれる観光客です。その方々を大切におもてなしすれば、もう一度訪れたい、あそこはいいところだと人に勧めてもらえます。ハートに響くおもてなしこそ最強の観光対策です。今すぐ、できることではないかなと思っております。 そこでお伺いいたします。おもてなしの心のこもった観光案内掲示板に対する市の考え方についてお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  豊中議員御質問の第2点目の観光行政についてお答えいたします。 まず、観光案内板に対する市の考え方についてでございますが、現在、市内の観光案内板は、JR岩国駅などの駅構内に設置されたり、観光施設や公園等に設置されたりしたものや、合併前に設置された地域の観光案内板などが随所に点在しております。 昨年度は、観光振興課において、山口国体の開催に合わせ、市内全域を網羅した観光案内板をJR新岩国駅に設置いたしました。市といたしましても、適切な場所に、市内全域を網羅したわかりやすい観光案内板を設置することの必要性については、十分認識しているところでございます。 これらの観光案内板は、主に市外から岩国に観光に来られる方のためのものであることから、陸上交通のかなめであり、岩国市の玄関口ともいえるJR岩国駅、そして、新たに空の玄関口となります岩国錦帯橋空港に設置されることが望ましいと考えております。 これら観光案内板は、国際化に対応した多国語表示も検討しており、市内の詳細な観光情報を掲載したパンフレットを併用し、御活用いただくことで、岩国に来られた観光客にとってわかりやすい観光案内ができるものと考えております。 先日、岩国錦帯橋空港の開港目標日として12月13日という日にちが示されたところであり、JR岩国駅も新しい駅舎整備に向け事業を進めております。 市外からの観光客をお迎えする、これら新たな岩国の玄関口に、市内全域を網羅した新しい観光案内板を設置することについて、今後、関係する機関と協議しながら検討してまいりたいと考えております。 次に、岩国市内の観光施設へのアクセスをわかりやすく案内する、道路案内表示板の設置についてお答えいたします。 市の観光施設は、錦帯橋及びその周辺のほか、玖北地域や玖西地域など市内各所に散在しております。錦帯橋を渡ったら観光が終わるのではなく、そこに回遊性を持たせ、滞在時間を長くするため、市といたしましては、これら市内に散在する観光施設や観光資源をつなげ、回遊性を持ったルートをつくることにより、観光事業の活性化を図りたいと考えております。 また、岩国錦帯橋空港の開港を契機とし、岩国市だけでなく他市町をも含めた広域的な観光施設の回遊性を考えることも重要なことと認識しております。 こうしたことから、歩行者のために、きめ細かな情報を伝え、また、回遊性を高めるためにも、道路案内表示板の役割が重要であることはもちろんでございますが、個々の施設がそれぞれの案内板を設置するだけでなく、観光施設同士が連携して道路案内表示板を設置することも必要になってくると考えられます。 市が、これら観光施設の道路案内表示板を設置する場合は、公共性を考慮し、効果や優先順位を加味しながら検討していくこととなりますが、岩国市に来られた観光客に、親切で、なおかつ、回遊性をも考慮したものとなるよう努めてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎教育長(佐倉弘之甫君)  第1点目の小・中学校の統廃合についての(1)岩国市立学校配置計画の現状についてにお答えいたします。 教育委員会では、平成21年2月に岩国市立学校適正規模適正配置に関する基本方針を策定し、その後、保護者との意見交換会や全小・中学校の保護者を対象にアンケートを行い、平成22年11月、学校配置計画の素案をお示しし、地域での意見交換会の結果を踏まえ、昨年3月に岩国市立学校配置計画を策定いたしました。 この計画に基づき、各地域において協議会を設置し、協議を重ねてまいりました。計画策定後、1年が経過いたしましたが、その中で、小瀬小学校、柱野小学校、本郷中学校について、今後の児童・生徒数の推移を勘案して、子供たちの教育環境等への影響が考えられる場合に協議を行っていくということで結論を得ております。 美川中学校においては、もう少し時間をかけて保護者の中で協議して、結論を出していきたいということになっております。 また、御庄中学校について、平成26年度に岩国中学校と統合するということでの結論が出ております。そして、玖珂小学校及び玖珂中央小学校について、玖珂小学校の改築を行い、その際、両校を統合するという提言が出されております。 そのほかについては、現在も協議を行っている段階でございますが、祖生東小学校、祖生西小学校及び米川小学校、修成小学校については、統合を前提に協議を行っております。 次に、(2)今後の取り組みと方向性についてお答えいたします。 先ほど、御庄中学校については、平成26年度に岩国中学校と統合すると申し上げましたが、今年度より暫定的に学校選択性を導入し、統合に向けた調整を行っております。 玖珂小学校及び玖珂中央小学校については、玖珂小学校の改築に向けた計画を検討しているところでございます。 また、現時点で結論を得ていない地域については、それぞれの地域住民や保護者の意見などを伺いながら、その意見を尊重して方向性を決定していきたいと考えております。 なお、統合するという方向性が決まれば、交流学習の実施など、スムーズな統合に向けた調整や必要な予算措置を行っていきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 ◆12番(豊中俊行君)  それでは、順を追ってお伺いいたします。 1点目は、小・中学校の統廃合についてお伺いいたします。 今、教育長が「統合する方向性が決まれば、統合する学校同士の交流の実施をする。スムーズな統合に向けた調整や必要な予算措置をとっていく」と言われましたが、統合する年数や予算の内容はどのような――教材とか、どのような諸準備がかかるのか、お伺いいたします。 ◎教育次長(多谷本清晴君)  協議会においては、統合する時期についても協議しており、その決定に従いまして調整を行いますが、おおむね1年以上の猶予が必要であろうかと考えております。 また、統合に向けた調整や統合に係る予算措置につきましては、交流学習の一層の推進や休校する学校の記念誌の作成、またスクールバスや受け入れ先の学校の改修費、休校となる学校の維持管理費等の経費が必要になろうかと考えております。 ◆12番(豊中俊行君)  統合する学校同士の交流とかというのを進めていかれるのに、1年と言われたんですけど、1年では少し短いんじゃないかという気がしているんです。1年生から3年生の子供たちが遠いところへ行きながら交流していくのに、1年間ですぐ学校同士が統合というのは、ちょっと考えてもらうというのはできないものでしょうか。 ◎教育次長(多谷本清晴君)  現在においても、統合という前提とは別に、日常的に小規模の学校においては交流学習を行っております。そうしたことを日常的に行いながら、なおかつ統合等が決まれば、より一層進めてまいるということでございます。 ◆12番(豊中俊行君)  交流といって私たちが考えるのは、運動会とか研修会とか遠足とかキャンプとかいろいろあると思うんですけど、どういうふうな部分でやってるのかというのを教えてもらったらと思います。 ◎教育次長(多谷本清晴君)  交流学習の内容については、学校によって違いがあろうかと思いますが、一例を申し上げますと、祖生の東小、西小では水泳大会とか持久走を一緒に行ったり、天尾小学校であれば杭名小学校の児童を運動会に招待し、一緒にするというふうなことも実施されているというふうに伺っています。 それから、美和の東小、西小とかであれば、お茶会なんかも一緒にされたりとか、同学年同士の交流についても計画されているというふうに伺っております。 ◆12番(豊中俊行君)  いろいろやっていらっしゃるんですけど、やっぱり一つか二つぐらいだと、交流というか顔見知りぐらいで、同じ学年が勉強とか運動とか修学旅行とかいろいろやらないと交流にはならないんじゃないかなと、私は思います。やっぱりたくさんやっていかないと仲よくならないんじゃないかなと思うんですけど、その辺はどういうお考えでございますか。 ◎教育次長(多谷本清晴君)  議員御指摘のとおり、交流学習の回数といいますか、頻度については、多ければ多いほどお互いの交流が持てるというふうに考えております。 割と小規模校で少ない人数ですので、交流が進めばより親密度も増すというふうに思っております。機会を見つけてできる限り交流を進めていきたいというふうに思っております。 ◆12番(豊中俊行君)  これから進んでいくんではないかと思うんで、教育委員会として方策というか、こういうのをやろうというのを出していってもらったら――また統合するところは統合する、しないところはしないんですけど、そういう形にしたらスムーズで、保護者の皆さんはよかったとかというようなことになるんじゃないかと思うんです。きめ細やかにやってもらいたいと思います。 それでは、ちょっと違った部分でお聞きしたいんですけど、岩国市立学校配置計画には事業計画期間があると思うんですけど、その期間が過ぎるともう統合はなしになるんでしょうか。その辺をお聞きします。 ◎教育次長(多谷本清晴君)  計画の期間については、現在のところ平成23年度から30年度までという期間としております。協議会での方向性としましては、それに沿って早い段階で結論を得ていきたいというふうに思っておりますが、その期間内でまとまらないということがありましても、引き続き検討していくというふうなことになろうかと思います。 ◆12番(豊中俊行君)  さっきと同じことなんですけど、統合ありきではないし、人数とかいろいろな部分でそれを進めていくために、そういう言葉が多いから保護者の皆さんは統合ありきで話してるような印象を受けるんで、きめ細やかな心遣いをしながらやってもらいたいと思います。 現時点で結論が出てないところがあるんじゃないかと思うんですけど、その地域の住民や保護者の意見などはどういう意見が多いんですか。その辺をお聞きします。 ◎教育次長(多谷本清晴君)  地域におきましては、アンケート等を実施したところもございますが、意見といいますと、賛成の方が多い地域もありますし、反対の方が多い地域、そしてまた半々というふうな地域、それぞれいろんな意見がございます。 そうした中で、今後の対応につきましては、地域の方の御意見というのも大切ですが、最終的には保護者や地域の方々の合意形成というのが何より大切だというふうに考えておりますので、今後とも、各地域における協議会のほうで協議をしてまいりたいというふうに思っております。 ◆12番(豊中俊行君)  今言われました保護者アンケートを見ても、反対の多い地域の合意形成が図られたり、学校の適正化を推進する地域の事情を勘案しながら、適正な検討を行っていますが、押しつけ的な計画の進行でなく、市民の声を聞きながら、時間をかけて慎重に論じてもらいたいと思います。この件について、教育長はどういうふうな御意見を持っていらっしゃいますか。 ◎教育長(佐倉弘之甫君)  議員から御指摘いただきましたように、統廃合ありきではなくて――御案内のとおり、近年は人口減少化社会で、少子高齢化ということで、統廃合は避けて通れない教育委員会の大きな課題というふうに認識しているところでございますが、ただ単に人数合わせではなくて、大人数になれば大人数の中で、それぞれどのようにカリキュラムを組んでいくかとか、あるいは地域の中で特色ある学校づくり等の取り組みをするということで、人数合わせではなくて、それぞれの地域に応じた特色ある学校づくりをお願いするという方向で考えております。 特に今後、統廃合の可能性のある学校等におきましては、校長等の面談のときに、交流学習等を含めて、戸惑いが起こらないようなしっかりした取り組みをお願いしたいということで、私のほうからも校長のほうに申し述べている現状でございます。よろしくお願いいたします。 ◆12番(豊中俊行君)  今教育長の話を聞いて少し安心しました。やっぱり押しつけはよくないと思いますので、その辺よろしくお願いいたします。 次に、2点目の観光行政についてなんですけど、答弁では岩国錦帯橋空港に設置するのが望ましいと考えていると言われましたが、あと6カ月しかないです。時間もないと思いますけど、案内板の設置等をどのように考えているのか。やるかやらないかでいいんで、お願いいたします。 ◎産業振興部長(村田弘君)  岩国錦帯橋空港における案内板の設置でございますけども、設置する方向で検討しております。具体的には管理者等と協議しながらということになろうかと思います。 ◆12番(豊中俊行君)  どうもありがとうございます。岩国地域は広大な地域で、山口県で2番目に大きな地域で、錦町から由宇町までの広い地域なんで、いろいろいいところもあるんで、そういう観光案内板をつけたら皆さんに喜んでもらえるんじゃないかと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、違う質問なんですけど、岩国市には、岩国地域を網羅した探訪マップを作成されてるかどうかを聞きたいんですけど、よろしくお願いいたします。 ◎産業振興部長(村田弘君)  市独自の探訪マップにつきましては、それぞれの地域で――玖北地域、やましろ商工会であるとか、玖西・玖南地区、岩国西商工会、また旧岩国市等の観光協会等でいろいろな分野での探訪マップ、これはそれぞれの観光地であるとか、お店の紹介いろんなものがございます。 ◆12番(豊中俊行君)  山代地域とか岩国西商工会とか岩国商工会議所とかでやっていらっしゃるんですけど、岩国市が独自でつくる探訪マップというんですか、岩国市内を三つぐらいに分けて各地域の特徴がある探訪マップをつくったらどうかと思うんですけど、その辺のお考えをお聞きいたします。 ◎産業振興部長(村田弘君)  三つの地域というのは、先ほど申し上げました山代地域であるとか、岩国西商工会の地域、旧岩国市の地域というふうに理解してよろしいかと思うんですけども、私どもとしては探訪マップの作成ということにはしっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますけども、地域に限定したというよりも、そこを縦断的にといいますか、連携したルート化ということも考えておりますので、民間の方、そしてまた利用される方に利便性のある探訪マップの作成ということを考えてまいりたいと思っております。 ◆12番(豊中俊行君)  僕としては岩国市が主導しながら――硫黄島に行ったときも、一つにまとまったこんなに小さいもので、広げたら硫黄島が一目でわかるようなマップみたいなものをつくっていましたので、そういうようなものも考えてもいいんじゃないかと思うんです。 それでは次に、岩国市は錦帯橋空港とか駅舎もできるので、酒とか、岸根栗とか、岩国市の特産品などをそろえた販売拠点を整備する考えはないのか、お尋ねいたします。 ◎産業振興部長(村田弘君)  現在、市内には「いわくに里の駅」というのが13カ所にございます。里の駅というのは、地域の人たちが自主的に運営し、暮らしから観光まで地域のあらゆる情報を提供する施設ということで、地域の拠点としてそういった特産品等も販売している施設のことでございますけども、里の駅が13カ所あるわけでございますけども、各里の駅が特色を持ってやっておられます。今後連携協力してそういった体制の充実ということを図ってまいりたいと考えておりますし、そういった里の駅が観光や地域振興の拠点となるように支援してまいりたいと思っております。 また、錦帯橋空港ができますので、錦帯橋空港のテナントの中において特産品の販売とかということで、支援してまいりたいと考えております。 ◆12番(豊中俊行君)  最後の質問なんですけど、開港予定日が12月13日と発表されましたが、岩国錦帯橋空港に対応した具体的な観光振興策がありますかどうか、お答えをお願いいたします。 ◎産業振興部長(村田弘君)  岩国錦帯橋空港開港を契機に観光振興ということでございますけども、空港関連の雇用であるとか、それに伴う企業誘致による雇用、そして観光振興による雇用、また新たな産業の創出による雇用が期待されているところでございまして、岩国市の持っている地域資源等を十分に活用し、振興を図ってまいりたいと考えております。 実は山口県民の歌というのがございまして、「錦帯橋はうららかに」という歌い出しということで、錦帯橋が岩国市、また山口県の観光名所の代表であるということは明らかでございます。これにつながる岩国市内の観光地であるとか、資源のアピールをしっかりとしてまいりたいというふうに考えております。 具体的には、いろんな観光・商工・宿泊・交通関係といった諸団体があるわけでございますけども、これらの連携を図って観光振興したいということで、情報の共有化であるとか、ネットワーク化を図って回遊性を持ったルートの制定をするため、準備会を立ち上げているところでございます。 さらに、山口県東部の地域振興ということで、「岩柳島」という新しいパンフレットもこの2月にできております。これは岩国市・柳井市・周防大島町で岩柳島でございますけども、そういったパンフレット等もできております。 また、新しい観光ルートとして広島空港や山口宇部空港、萩・石見空港と連携した魅力的な観光ルートの検討、そして広島広域都市圏における観光ルートの設定等、広域的な振興についても検討しているところでございます。 そういうことで、特に岩国錦帯橋空港につきましては、その利便性を考慮したナイトステイ――これは仕事を済ませた後に岩国市で宿泊していただいて、しっかりお金を落としていただいて朝の便でまた仕事に戻っていただくという、そういったこともしっかりとPRしてまいりたいと考えております。 ◆12番(豊中俊行君)  この間、岩国城の築城50周年に行かせてもらいまして、錦帯橋を久しぶりに渡りましたら、中央の辺で家族連れの人が、「ああ、ここもいいところだね」「あそこにも泊まるとこがあるじゃん」とかと言ってらっしゃいました。知らない人はたくさんいらっしゃるんじゃないかと思うんです。「泊まってみて、きれいなところだからまた泊まりに来よう」と言ってらっしゃいましたけど、そういうふうな人も今から発掘できるんじゃないかなと思いますので、私が言いました、「だれにでも、そして、今すぐにでもできること」をやってもらったらと思いますので、よろしくお願いいたします。これで一般質問を終わります。 ○副議長(貴船斉君) 以上で、12番 豊中俊行君の一般質問を終了いたします。 1番 桑田勝弘君。 ◆1番(桑田勝弘君)  皆さん、こんにちは。1番 公明党議員団 桑田勝弘でございます。岩国錦帯橋空港が12月13日に開港することが決定しました。さらに今後、進捗中の事業も含め多くの事業も控えており、それらすべてを確実に岩国の発展につなげていかなくてはなりません。 大事なこの時期に議会に送り出していただき、今の世代の方に対してはもちろん、次の世代の方に対しても責任を負うという、この職責の重さを日々実感しております。 それでは、日々の活動から感じた、新人ならではの市民の方の感じる素朴な疑問について、通告に従い質問いたします。 1番、岩国市の社会資本整備についてお聞きいたします。 高度経済成長期を中心に大量の社会資本が整備、蓄積され、今後、老朽化が進む社会資本の維持管理・更新費が着実に拡大すると予測されており、また厳しい財政状況から、国交省では所管の社会資本について、長寿命化計画の策定を進めております。 申すまでもなく、長寿命化計画は、維持管理・更新費の最小化を図るために、これまでの劣化予測を伴わない「事後保全」ではなく、予測を伴う「予防保全」の考え方に立ちます。 本市では、現在、道路橋について長寿命化計画が策定されており、あわせて緊急輸送道路について耐震化計画も策定が進められております。 さらに、市営住宅についても、ストック総合活用計画を踏まえ、また見直し作業を進め、本年、市営住宅長寿命化計画が策定されます。 「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズは、誤ったイメージを持たせ、必要な社会基盤への整備も無駄と見る風潮を生み出しましたが、「人の命を守るコンクリート」への投資をしっかり推進していくべきだと考えております。 そこで、社会資本整備の中でも、今回は下水道事業についてお聞きいたします。 下水道事業については、昭和26年、合流式下水道として認可を受け、昭和56年に一文字終末処理場が供用開始しています。 下水道事業には土木建築構造物のほかにも、多くの機械・電気設備が必要であり、さらに今後の普及率向上の取り組みもあり、課題が多いと考えております。 まず、下水道施設の標準耐用年数は、適切な維持管理が行われている場合、管渠及び処理場の土木建築構造物で50年、機械・電気設備で15年から30年とされています。しかし、適切な対策を講じれば延命化が可能であることから、長寿命化計画が策定されます。 現在、長寿命化計画は、一文字終末処理場、一文字ポンプ場、今津ポンプ場、錦見ポンプ場、広瀬浄化センターについては策定済みであり、例えば、一文字終末処理場では供用開始後30年を経過しており、供用開始からの設備については、おおむね更新対象になっています。 本年度は一文字終末処理区管路施設について策定予定となっています。 本市の整備率は約50%ですが、老朽化に対応しながら今後、新たに普及率の向上に向け、必要な幹線管渠の整備にも取り組まなければなりませんし、面的整備も行わなければなりません。管路については、地下水位の高い干拓地も多いことから液状化対策も必要になります。これらが大きな懸念材料となっていると思いますが、昭和56年から平成4年までの取り組みを教訓として、しっかりと取り組まなければ、世代間公平に反するとの批判を受け入れざるを得ないこととなると考えております。 さて一方、評価すべき取り組みも見られます。一文字終末処理場において課題であった、合流式に見られるノンポイントソース対策として高速ろ過も本年度に終了します。市債を前提とする事業であることから、利息の高負担も課題ですが、繰り上げ償還にも取り組んでいます。 さらに、本年度、地方公営企業会計の一部適用に取り組み、今後の動向が気になる消費税に対しても安全性を増すのではないかと考えています。 そこで、お聞きしたいのですが、長寿命化計画と地方公営企業法の一部適用に向けたタイムスケジュール、また繰り上げ償還等の取り組みを踏まえ、今後の下水道事業の現状と課題についてお聞きいたします。 2点目、公有財産管理システムの現状と課題についてお伺いいたします。 公有財産について、地方自治法に不動産や不動産及び動産の従物等が規定されております。 公有財産の管理は、市民の貴重な財産を適切に管理するという、極めて重要で市政の根幹に位置づけられると考えます。平成23年第2回定例会において、公有財産管理システムについて質問いたしました。御答弁では、「本庁及び各総合支所で管理している公有財産及び各所管課で管理している公有財産を一元的に管理できるシステムを考えている」と述べられましたが、その後の進捗状況をお聞きします。 2点目、資産管理に関する今後の取り組みについてお聞きします。 以前にも一般質問いたしましたが、今後、厳しい財政状況下で都市間競争を生き延びていくためには、事業別・施策別の行政コスト計算が必要であると考えます。 それは減価償却費、支払い利息、複数事業間の共通費の配賦計算などの情報による期間損益の活用により、例えば、料金設定、新規施策の適否判断、行政評価へ生かすことができると考えているからです。 企業の営利活動とは異なり、住民福祉の向上という公共性にかんがみ、利益の追求は不要としても、限られた予算の効率的な活用が求められると考えます。 時を経て、安定している建設公債主義、起債充当率を初めとして、継続性を担保するさまざまな仕組みがあり、また新たに財政健全化法などの各指標なども機能しており、安全性は担保できると認識しておりますが、長寿命化や維持管理を考慮した財務シミュレーション、説明責任などの観点から、期間損益の取り組みは避けられないと考えております。 総務省改訂モデルによる岩国市の財務4表では、事業別・施策別の行政コスト計算や長寿命化を考慮した財務シミュレーションの策定は難しいと思います。公有財産管理システム構築の取り組みや長寿命化の取り組みにより、資産の状況も徐々に明確になると思われます。より精度の高い固定資産台帳が整備しやすい環境になっていくと思われますが、今後の資産管理の取り組みをどのように考えておられるのかについてお尋ねします。 3点目、入札制度についてお聞きします。 地域の建設産業を取り巻く環境は極めて厳しい。公共施設、インフラの維持管理、災害時の復旧作業など、地域の建設業は重要な役割を果たしておりますが、将来の対応に懸念が広がっております。従業員の少数化、保有建設機械の減少など、企業の小規模化、軽量化が進んでおります。 特に、公共事業費はピーク時の半分以下という現状です。 このたび、本市は、岩国市建設工事特別簡易型総合評価競争入札実施要領及び岩国市低入札価格調査実施要領を改正いたしました。 改正の基本的な考え方として、「入札契約適正化法で定める指針において、できる限り速やかに総合評価方式の拡大が求められていることから、これまでの課題を整理し、建設工事の公平性・競争性の確保及び地域の実情や工事内容が特別簡易型総合評価方式に反映できるように改正を行うこととした」と記されています。 そこでまず、岩国市建設工事特別簡易型総合評価競争入札実施要領についてですが、大きく2点、企業の技術的能力と配置技術者の能力について改正されています。 企業の技術的能力という評価項目では、1点目、同種工事の施工実績の有無の細目につき、対象評価期間を過去5年から過去8年に改正し、2点目、工事成績評定点の平均点の細目につき、配点基準が見直されました。さらに、配置技術者の能力という評価項目では、主任 ――監理者技術者の同種工事施工経験の有無の細目につき、評価の期間を過去5年から過去8年に改正されました。 この改正は、県内他市においても同様の改正が見られますが、拡大の取り組みとして、新たに参入しようとする企業に対する、過度の参入障壁を軽減するという観点からの改正と思われます。 また、岩国市低入札価格調査実施要領についても改正がなされ、ここでは調査基準価格の引き上げが図られています。 土木等の一般工事について、一般管理費の算定割合を30%から70%へ引き上げ、建築工事については、現場管理費及び現場管理費相当額の算定割合を70%から80%へ引き上げるとともに、一般管理費の算定割合を30%から70%へ引き上げています。 本来、予定価格は、市場価格を基準に積算されているとされていますが、調査基準価格の算式の公表により、労務費や一般管理費を下げて応札するという課題がありました。原価の要素である労務費の低下や利益の圧迫を防ぐための効果があるのではないかと期待しています。 ただ、さらに地域の精通度という重要な要素をもっと評価すべきであると考えます。当然、安全性や公平性、競争性などの重要な要素もあります。特別簡易型総合評価方式や調査基準価格については課題も多く、今後も見直しは続けられるべきだと考えます。 そこでお聞きいたします。改正の基本的な考え方に、できる限り速やかに総合評価方式の拡大が求められているとあります。総合評価方式の拡大のために、そのほかにどのような課題があると認識しておられますか。また、低入札価格競争を忌避するためにどのような課題があると認識しておられますか。また、このたびの調査基準価格の引き上げにより、どのぐらいの効果があると見込んでおられますか、以上3点をお聞きいたします。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  桑田議員御質問の第3点目の岩国市の入札制度についてお答えいたします。 現状と今後の取り組みについてでございますが、岩国市の入札制度におきましては、平成21年4月1日に岩国市低入札価格調査実施要領を全部改正し、調査基準価格の引き上げや数値的判断基準を見直しております。その後、平成22年4月1日に調査基準価格の引き上げと数値的判断基準の緩和を実施し、同年の10月1日には建築工事等の調査基準価格について、さらなる引き上げを実施しております。 また、平成20年10月には条件つき一般競争入札と特別簡易型総合評価方式を導入しております。条件つき一般競争入札は、現在、4,000万円以上の土木一式工事及び6,000万円以上の建築一式ほか工事を対象としております。特別簡易型総合評価方式は、価格以外の要素も総合的に評価して落札者を決定する制度で、工事の品質の確保を図るものであります。価格以外の要素として、企業の技術的能力や配置技術者の技術的能力、及び地域精通度を評価項目としております。 議員から御指摘のありましたように、特別簡易型総合評価方式につきましては、本年4月1日に、企業の技術的能力における同種工事の施工実績評価期間と、配置技術者の能力における同種工事の施工経験評価期間を、それぞれ過去5年から過去8年に、企業の技術的能力における工事成績評定点の配点基準を、最高4点から最高2点に改正しているところであります。 また、低入札価格調査制度につきましては、本年6月1日に、建設業の継続的な経営維持の観点から、議員御案内のとおり、調査基準価格の算定におきまして、一般管理費へ乗じる率と建築工事における現場管理費に乗じる率を改正し、さらに、調査基準価格の引き上げを行っているところであります。 このたびの調査基準価格の引き上げによる効果でございますが、改正前の設計工事価格に対する調査基準価格の割合を5ポイント程度押し上げるものではないかと考えております。 この調査基準価格の引き上げにより、調査対象案件は増加することが懸念されますが、建設業者の経営を圧迫するような低価格での工事請負は防止できるものと考えております。 また、特別簡易型総合評価方式につきましては、現在、技術的能力に関する評価項目に重点が置かれておりますが、地域への貢献度に係る評価項目についても考慮し、幅広い評価をすることによって制度の拡充が図れるよう、さらに検討していきたいと考えております。 いずれにいたしましても、入札契約の執行に当たりましては、公平公正はもとより、よりきめ細やかな配慮ができるよう、引き続き制度の見直しを図ってまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎環境部長(松林達也君)  第1点目の岩国市の社会資本整備についての(1)下水道事業の現状と課題についてにお答えいたします。 岩国市の公共下水道計画においては、単独、流域関連及び特定環境保全公共下水道が位置づけられ、生活環境の改善と公共用水域の水質保全を目的として整備するものとしております。 事業認可を受けて整備を進めておりますのは、単独公共下水道として3処理区で、一文字処理区は昭和26年度から、尾津処理区は平成10年度から、由宇処理区は平成12年度から、また、流域関連公共下水道では、玖珂処理区は昭和58年度から、周東処理区は昭和59年度から整備を進めているところでございます。特定環境保全公共下水道であります広瀬処理区は、平成7年度から事業着手し、平成19年度に事業が完了しております。 まず、インフラ資産の長寿命化計画についての御質問でございますが、公共下水道は事業期間が長期にわたるため、下水道処理施設、ポンプ施設及び管路施設については建設から相当な年数が経過しており、耐用年数を超えた多くの施設設備について再構築調査を行い、順次、改築工事を進めてきたところでございますが、今後さらに、改築需要の集中や維持管理費の増大が予想されることから、既存ストックをより有効に活用し、耐用年数の延伸化を図るなど、コストの縮減を目的とした、国の下水道長寿命化支援制度に基づき、長寿命化計画を策定し、平成25年度から事業着手する予定としております。 この計画の対象となる施設といたしましては、一文字終末処理場、一文字ポンプ場、今津ポンプ場などの5施設及び麻里布・人絹地区の管路となっております。 次に、地方公営企業法の一部適用に向けたタイムスケジュールについてのお尋ねでございますが、公共下水道事業特別会計の地方公営企業法一部適用化は、公共下水道事業における経営状況や財務状態を明確にすることにより経営課題を把握し、経営という着眼点を持って事業運営を行う必要性が求められていること、また、国におかれても地方公営企業法の見直しが検討されており、下水道事業についても将来的にはこの法律の適用が義務づけられることが予想されることから、財務規定についての法適用化を目指し、平成27年度から企業会計の移行に向けて、準備作業に着手しているところでございます。 この法適用化に向けたタイムスケジュールといたしましては、今年度から2年間かけて、下水道に係る資産について、取得時期、取得価額、財源等を調査し、法適用時における固定資産の帳簿価額の評価を行ってまいります。 そして、平成26年度には、財務会計システムの構築や組織・体制の検討、条例・規則等の整備を行い、平成27年4月から企業会計をスタートする予定としております。 最後に、繰り上げ償還等の取り組み状況でございますが、本市の公共下水道事業特別会計におきましては、公債費の負担軽減を図ることから、対象となりますものは、積極的に借換債による繰り上げ償還を行っております。合併後の実績で申し上げますと、平成19年度から平成21年度までと平成23年度において、年率5%以上の高利率の起債について、合計で24億1,500万円の繰り上げ償還を行い、支払い利子について約6億4,700万円の軽減を図っておるところでございます。 今後におきましても、公的資金補償金免除繰り上げ償還が実施された場合に、対象となる起債がある場合には、繰り上げ償還を行ってまいりたいと考えております。 議員御指摘のとおり、下水道事業は、公共用水域の保全や雨水対策などの面からも着実に進めていく必要がございます。今後におきましても、下水道事業会計の健全化に配慮しながら事業を推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総務部長(藤井章裕君)  第2点目の岩国市の資産管理についての(1)公有財産管理システムの現状と課題についてお答えいたします。 本市の現時点における公有財産の管理につきましては、公有財産管理システムを平成23年度に導入して、土地及び建物についての洗い出し、登記簿との照合、既存台帳の整理点検、財産の分類を行い、また、地図情報をも取り入れて、視覚的に検索できるシステムを整備いたしております。 本システムは、公有財産の一元化管理のために最終精査が必要であり、今後は、所管課と連携したチェック体制を強化し、精緻化した確実なシステムの構築を目指すことが課題となっております。 こうしたシステムの構築により、土地及び建物の正確な内容を迅速に把握することが可能となり、所管課や市民からの確認や問い合わせ等にも的確かつスムーズに対応することができ、事務の効率化・スピード化が図れるものと考えております。 また、現財政健全化計画におきましても、未利用地の売却促進を図り、歳入確保に努めることとされております。このシステムの導入により、個々の公有財産の履歴や利用状況等その詳細を把握することができ、今後の活用方法を検討する判断材料となり、処分可能な土地であると判断できれば速やかに対応し、売却処分の促進が図れるものと考えております。 市といたしましても、より充実したシステムとなるよう検討を加えながら、公有財産の効率的な管理や有効的な活用を図るために、管理に万全を期することが今後の活用に役立つと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総合政策部長(中岡正美君)  第2点目の岩国市の資産管理についての(2)資産管理に対する今後の取り組みについてお答えします。 平成18年に地方公共団体における行政改革の推進のための指針が示され、さらに、平成19年には総務省自治財政局長通知により、全国的に公会計の整備推進、財務書類4表の作成と情報の開示、資産・債務の情報開示と適正な管理が要請されており、地方公共団体による財務情報のわかりやすい開示の必要性、また、未利用財産の売却促進や資産の有効活用などの資産・債務改革による行財政改革の必要性が示されております。 こうした要請を受け、本市は、総務省改訂モデルを採用し、平成20年度決算分から、財務書類4表の作成と財務情報の開示等に努めてまいりました。 桑田議員御指摘のとおり、総務省改訂モデルによる岩国市の財務書類4表のうち、貸借対照表に計上される有形固定資産につきましては、地方財政状況調査による普通建設事業費の累計額を基礎とした簡便な手法による記載となっており、現在の作成手法では事業別・施策別行政コスト計算や長寿命化を考慮した財務シミュレーションなどは、難しいと言わざるを得ません。 また、議員が期待される行政コスト計算や財務シミュレーション、公会計の導入のためには、耐用年数や取得時の付随経費などを網羅した精度の高い固定資産台帳の整備や、複式簿記の仕組みを取り入れた財務会計システム整備が不可欠であり、このためには、電子計算システムの変更に係る多額の経費や労力等が必要となるところです。 現在、総務省から示された財務書類作成に当たっての作成方式も、全国的に一本化されておらず、過渡的な状況にある中、固定資産台帳の整備や財務4表の活用方法等について、検討しているところでございます。 平成28年度から始まる一本算定による普通交付税等の段階的な削減により、将来大幅な財源不足が見込まれることから、より効率的な財政運営が求められることを考えますと、精度の高い固定資産台帳や事業別・施策別の行政コスト計算、資産の長寿命化を考慮した財務シミュレーションが将来的には必要になろうかと考えております。 資産管理につきましては、今後とも研究してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(桑田勝弘君)  それでは、順不同で再質問を行います。 まず、入札制度についてお聞きします。 平成24年6月8日現在の建設工事等入札参加資格者名簿登録業者数の推移によりますと、2年ごとの登録による数字ですけれども、市内業者が平成18年391社、20年370社、22年357社、24年319社、72社の減少です。省きますが、県内業者は平成18年から24年まで81社の減少になります。また、県外業者は平成18年から24年まで84社の減少です。 岩国市の公共工事に魅力がないのかもしれませんが、恐らく現場を見て回っての感想を言いますと、利益が出ずに撤退という厳しい状況ではないかと感じます。 壇上で今回の改正点についてお聞きいたしました。現場管理費や一般管理費の算定基準について、特に一般管理費が30%というのには非常に驚いたのですが、今回の改正はかなり現場感覚に近い改正であると認識しております。ここで、具体的に予定価格の計算についてお聞きいたします。工事や現場の特殊性、また規模による違いが、個別の状況でどのように評価されるのか、お伺いいたします。 ◎総務部長(藤井章裕君)  確かに議員がおっしゃいましたように、建設工事に対する入札参加資格者の登録業者数というのは、年々減少している状況にございます。 そうした中で、予定価格の設定ということになろうかと思いますが、基本的に予定価格につきましては、工事の種類、種別によっていろんな積算方法が定められておりますが、こうした積算基準に基づいて策定したものを参考に、工事原価をもとに予定価格を算定することとしております。 ◆1番(桑田勝弘君)  予定価格については、私も調べてみたんですが、かなり地域補正もあるということで、設計士さんに聞くとかなり現実的な数字が出ているという評価を聞いております。 ただ逆に言うと、地域補正までしてかなり正確に見積もった金額に対して、競争入札をかけて、例えば落札率が80%台前半ということになると、利益が出ないという声も、そのとおりではないかなというふうに感じております。 利益が見込めないと雇用にも影響が出てまいりますし、若い方に職人・技術者を希望しない傾向があることも推測できます。 防衛の地域評価型総合評価方式について、評価項目に地域貢献度として、市内下請業者への発注予定金額が請負金額の30%以上という項目がございます。評価点は高いのですけども、ある市民の方から「業種により30%を地元で対応するのはだんだん難しくなっているものもある」との声も聞きました。 基地のある町として、仕事があっても、職人や技術者を養成しなければ厳しい局面を今後迎えるかもしれないと強く危機感を持ちました。事実、徐々に技術者・職人の不足を感じております。 そこで、再質問の2点目なんですが、必ずしも技術者が常駐する必要のない場合があります。技術者不足もあり、これを懸念している業者もおられます。昨年改正された公共工事標準請負契約約款等についてお聞きします。約款第10条の4に、現場代理人の常駐義務の緩和規定があります。また、運営、取り締まり及び権限の行使に支障がない場合、また、発注者との連携体制が確保される場合とあります。具体的に本市ではどのように対応しているのでしょうか、教えてください。 ◎総務部長(藤井章裕君)  先ほどの御質問の中で、ちょっと説明不足なところがあったかと思いますけど、低入札の価格調査制度そのものを改正したというのは今言われたとおりでございます。そうした中で、調査基準価格の一般管理費等の算入の仕方というのを30%から70%に上げております。 一般管理費というのは、議員もおっしゃられましたけど、基本的に会社側が必要とする役員報酬とか従業員の手当だとか、そういうようなものを見込んで算定したものが一般管理費という形で工事費の中に含まれるわけでございます。そうした中に調査費とか開発費とかというのも含まれて算定されることになります。そうした経費が30%から70%に上がるということになりましたら、会社の運営のほうにもプラスになりますし、また自己研さんや会社としての機能を高めることにもそれが使用されるということになりますので、会社の運営を大きく有利にするような制度になっておるところでございます。 そうした中で、御質問がございました現場代理人の常駐義務の緩和等の改正についてでございますけど、本市におきましては、昨年度、工事契約約款の改正を行いまして、現場代理人について、工事現場における常駐を要しないこととすることができると改正いたしております。 ただし、ただし書きがつくわけなんですけど、技術者の専任が必要とされない工事規模であることや、発注者と常に携帯電話等で連絡がとれることなどを条件といたしております。したがいまして、工事を受け持たれますといろんなことが発生する事態も考えられます。そうしたときに速やかな管理監督ができるような体制は、十分確保しておいてくれというふうになろうかと思います。 ◆1番(桑田勝弘君)  ありがとうございます。 それでは、別の質問に入ります。特別簡易型総合評価方式はおおむね1億円以上が目安とされております。これくらいの規模であれば、地域貢献度、地域精通度という評価項目の充実を図ることも検討できるのではないかと思います。 本市では、岩国市に本店・支店・営業所という評価項目があるだけですが、市内下請の活用、市内の資材活用、建設機械保有台数、さらに雇用形態、珍しいのでは消防団に参加などを評価項目としている例もございます。 実績として、平成20年以降11件。ほぼ市内業者ですから影響はそれほどないのかもしれませんが、地域貢献・地域精通度は大きなテーマだと考えます。検討を期待しますが、御所見をお伺いいたします。 ◎総務部長(藤井章裕君)  今おっしゃいました地域貢献という解釈、またいろんなことがあろうかと思います。現在の制度におきましては、評価点を見直してある程度比重を下げたということの御説明はいたしましたけど、そうした中で、評価点の中には地域への貢献等という項目があります。工事を実施するに当たって、その周辺で災害が起きた場合に貢献したというような実績があった場合にはその点数が上がることにしておるところでございますけど、多方面における地域貢献度――ボランティア活動とか、いろんなことに取り組んでおられるとかというような評価というのは、現在のところ総合評価方式において、項目の中には加えていないのが現状でございます。 そうした点については、今後検討の余地があるというふうに認識いたしております。 ◆1番(桑田勝弘君)  ありがとうございます。 それでは、次の質問に移ります。今回の東日本大震災の被災地で自衛隊や消防が入れるように、瓦れきを取り除き、道を確保したのは地元の建設業者でした。今後、新設・新築工事よりも維持管理型の工事がふえてくるのではないかと思っておりますし、維持管理は地域に精通した業者が得意とするところです。 御存じのとおり、国交省より地域維持型契約方式が提唱されています。地域JVという形態から、なじみにくい印象は受けますが、複数工種・複数年度の視点は、維持管理契約というこれからの発注方式に必要と考えております。今後、検討を期待いたしますが、御所見をお伺いいたします。 ◎総務部長(藤井章裕君)  地域維持型契約方式の導入については国土交通省、また県もある程度方針的なものを示されているところでございます。 そうした中で、岩国市における取り組みはどうだろうかということでございますけど、維持管理業務が中心的なものになってまいります。そうした中で、地域維持型契約方式というのは、国や県がそれぞれ方針的なものを出しておられるだけに、非常に範囲が広く大きなものになってきます。一地方自治体においてその方式がマッチするかどうかというのは、精査して検討する必要があろうかと思います。現段階における対応といたしまして、当面にはなりますけど、通常地域の維持事業の設計を組む場合において、果たして――岩国市においてというわけではないんですけど、必要となるいろんな経費があろうかと思いますが、それがある程度網羅されたものになっているかどうかというところも、改めてチェックするなりして、適切な経費となるような形でそれを発注するという行為になるわけですけど、地元の事業者等にそれが負担とならない、持ち出しとならないような形での指導とか、確認というのはやっていく必要があろうかと思っております。 ◆1番(桑田勝弘君)  今後の研究を期待しております。 それでは、2点目、岩国市の資産管理についてお伺いいたします。 公有財産の管理については、その台帳の整備状況について課題があると指摘されております。例えば、自治体の決算書として必要な情報は、土地、建物の面積情報のみであることから、それらの取得価額などは管理台帳には記載されていないことが多いというふうに言われています。 また、二つ目に、工作物――建物以外の建造物ですが――も公有財産管理の必要情報ですが、網羅されていないことが多いと言われております。 3点目に、一般的に工作物や建物附属設備――電気設備や空調設備などが建物に合算されているとの指摘もございます。 また、土地に新たに建築することや建物に機械を設置することは、通常、財産の増減と考えられるので、各所管から報告され、財産台帳に記載され、整理されるべきと考えますが、必要事項がすべて報告されているわけではないというふうに感じております。 また、建物本体と機械設備等は、耐用年数が異なります。耐用年数の記載までは本来求められておりませんが、せめて取得時期はすべて確実に記載されるべきと考えております。 岩国市の財務規則には、台帳価格記載義務の規定がございます。岩国市において、今後、精緻化したシステムの構築に向け、どのように取り組まれるか、お聞きいたします。 ◎総務部長(藤井章裕君)  公有財産の総括は総務部長ということになっております。その責任の大きさはいろんな話を聞きまして改めて痛感いたしたところでございます。 岩国市の財産は公有財産でございますけど、大きく分けて普通財産と行政財産というものがあるわけなんですが、財産の管理は、普通財産におきましては用地管財課長がその管理に当たっております。また、行政財産につきましては、それぞれの所管の所属長の職にある者が管理をすることになっております。その財産につきましては、総括的にということで用地管財課のほうに報告がありまして一括管理――すべてではございませんけど、普通財産を含めて行政財産を管理いたしております。 また、それぞれの所管が新たに財産を取得した場合とか、異動や購入もそうなんですが、そういうことがあれば所定の様式によりまして公有財産異動報告書を出していただくことになっております。その様式の中に財産名称とか、建物であれば建築年月日、価格、建物の面積等が記入されて用地管財課のほうに回ってまいります。それを確認した上で、台帳に記載して、総括的に管理することになっているわけでございます。 そうした中で、今議員がおっしゃいました機械装置とか付随費用等々についての記載というのは報告書の中にはありません。したがいまして、建物だけというふうな管理をやっておりますので、中に設置されているような機械類や事前にかかる経費だとかというのもそこの中には入っていない――済みません、全体の建築費としては入っておりますけど、個々の明細の費用は入っておりません。 このような管理をしておるところでございますが、用地管財課が行政財産、普通財産を管理するのは、情報としてはそれで十分なのかもわかりませんし、行政財産につきましては、管理しております所属課において施設ごと――機械なら機械、建物なら建物等の詳細な情報を台帳として整備され、それを今後の維持管理等の検討材料にしているというのが現状でございます。 ただ、総括的な管理ということになりましたら、どの分を用地管財課のほうで取り扱うかについては、今後の課題とさせていただきたいと思っております。 ◆1番(桑田勝弘君)  それでは、続いて下水道事業についてお伺いいたします。 まず、単独処理浄化槽の今後の取り組みについてお伺いいたします。平成22年に策定された岩国市汚水処理施設整備構想についてお聞きいたします。 下水道は言うまでもなく、都市計画法上の都市施設であり、汚水処理はもちろん、水害防除、汚泥処理という重要な目的を持つ多目的な施設です。 構想では、平成20年度末現在の汚水処理人口普及率として、公共下水道28.4%、浄化槽24.7%、未整備44.2%としております。単独浄化槽は未整備に含まれると認識しております。 平成24年3月31日現在、市内の単独浄化槽は1万8,516基、合併浄化槽は9,462基です。言うまでもなく、単独処理浄化槽はし尿のみの処理であり、一人が1日に出すBOD負荷量は、合併処理槽4グラムに対し、単独処理浄化槽は32グラムと8倍です。 浄化槽全体に占める単独浄化槽の割合が3分の2であり、また、浄化槽法による年1回の浄化槽の法定点検に加え、環境省令の4カ月に1回の保守点検なども必要です。個人負担であることから、点検の実施率も決して十分ではないと思われます。 単独処理浄化槽の取り組みは汚水処理施設整備の中で無視できませんが、いわゆる転換のために利子補給で対応しているということを考えると、すべての単独処理浄化槽を合併浄化槽にかえるということは現実的ではございません。 そのような状況から、個人の自主管理に下水道と同レベルの管理を期待するのは難しく、公共性のある事業を余り個人の意思にゆだねることは適切ではないと考えています。その点につき、御所見をお伺いします。 ◎環境部長(松林達也君)  単独浄化槽のお尋ねでございますが、平成13年度より単独浄化槽の設置が全面禁止されておりまして、逆に合併処理浄化槽の設置が義務づけられておるという状況でございます。 御指摘のとおり、単独浄化槽は合併処理浄化槽に比べまして、性能の違いから生活雑排水によるBODの負荷量が多いというふうに認識しております。 こうしたことから、合併処理浄化槽への切りかえは重要というふうに考えております。したがいまして、今後、合併処理浄化槽への切りかえを促進するために、その必要性であるとか、あるいは合併処理浄化槽の補助制度の広報活動を行うと同時に、パンフレットを通じて皆さんに周知してまいりたいというふうに考えております。 それから、個人に余り水質改善をゆだねるのは問題があるのではないかという御指摘でございますが、浄化槽は維持管理について、浄化槽法に基づきまして年1回の法定点検と、環境省令に基づきまして保守点検、それから清掃が設置者に義務づけられておるという状況でございますけれども、これも強制力がなく、罰則もないといったような現状がありまして、こういう費用負担から管理が確実に遂行されていないというようなことも懸念されております。 しかしながら、すべての地域において公共下水道を整備するということは、膨大な予算と期間を要します。こうしたことから、今後においても、引き続き浄化槽の適正な維持管理の推進を図るために、関係機関との連携を強化して、指導であるとか啓発に努めてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(桑田勝弘君)  それでは、次の質問に移ります。 下水道事業については、「雨水公費・汚水私費の原則」に基づいて、汚水処理経費については、一部を除き使用料で回収することになっておりますが、現状はかなり厳しいです。基準内繰り入れ以外にも、基準外繰り入れが行われており、下水道が整備されていない地域の住民との公平性を欠いている、そのような状況が続いております。 例えば、昨年度の一般会計繰入額は、基準内繰り入れ10億円、基準外繰り入れ6億円です。政策的な判断なので、運営審議会等の答申というような手続などがあるのだとは思いますし、また現場の懸命な努力を否定するわけでもございませんが、いわゆる必達目標としての機能は果たせず、また、説明責任が果たせないのではないかと思っております。その点についてお伺いします。 ◎環境部長(松林達也君)  基準外繰り入れがあることに伴って、下水道の施設が整備されておるところと、されてないところで不公平感があるんじゃないかというお尋ねかと思いますが、必ずしもそうした状況ではないというふうに考えております。今のお尋ねは保津処理区の取り組みとか、そうしたことも含まれておるのかと思いますけれども、旧岩国市の単独公共下水道におきましては、現在、一文字、尾津、保津、由宇の4処理は計画されておるところでございます。 平成23年度に岩国市の単独公共下水道基本計画において、効率的効果的な整備を実施するために、全体計画の見直しによりまして、処理区の再編を検討したところでございます。 この再編の検討の中で、下水道全体の計画区域でございますけれども、御質問の保津処理区につきましては、建設事業費であるとか、維持管理費等も含めて最も経済的に有利と考えられております尾津処理区へ編入することが適切であろうという結果に至っておりまして、こうしたことから、今年度の事業変更計画におきまして、保津処理区から尾津処理区内の保津分区として編入を予定しておるところでございます。 しかしながら、現在において、具体的な事業計画であるとか、あるいは実施時期をお答えするというところまで至っておりませんので、よろしくお願いいたします。 ◆1番(桑田勝弘君)  現在、水道局において簡易水道との統合を進められておりますが、資産管理の面で減価償却の累計額という概念がございませんので、統合にはかなりの御苦労があるのだと推察されます。 上水道事業においては、地方公営企業法と地方公営企業会計制度が、46年ぶりに大改正されました。平成26年度から退職給付会計や減損会計の導入、資本制度の見直し等が行われ、的確な財務情報の獲得、経営の自由度を高める取り組みが始まります。 これから下水道が地方公営企業会計を適用して、資産管理ができるようになり、また普及率が上がってくれば、将来的には上下水道として使用料徴収の一元化など、他市でも見られるような次の段階へと進んでいくことができると思っております。期待しております。 財政状況がさらに厳しくなることが予想される状況の中、世代間公平、また説明責任というものがさらに求められてくると思います。下水道事業がコスト管理を徹底し、本来の独立採算の事業へと、一日も早く進んでいけることを期待いたします。 以上で、一般質問を終わります。 ○副議長(貴船斉君) 以上で、1番 桑田勝弘君の一般質問を終了いたします。 ここで暫時休憩いたします。午後2時37分 休憩 ――――――――――――――――――――――――――――――午後2時59分 再開 ○議長(松本久次君)  休憩前に引き続き、本会議を再開して一般質問を続行いたします。 ここで、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。 29番 坪田恵子さん。 ◆29番(坪田恵子君)  日本共産党市議団の坪田恵子です。通告順で一般質問をいたします。 1項目めの環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)――とんでもないペテンに満ちたパートナーシップという声もあります――について、市民生活に及ぼす影響についてです。共産党市議団としては、山田議員も含め3回目の質問となりますが、私は今回、主に農業、食料の分野で質問をさせていただきます。 その前に、皆さん、十分御存じと思いますが、TPPの概要ですが、2010年10月に、当時の菅 直人首相が、TPP交渉等への参加を検討することを表明し、その後2011年11月に、APECで野田首相は、TPP交渉参加に向け関係国と協議に入ると表明しました。このように政府が、説明不足のまま拙速に参加準備を進めるTPPとは、どういうものなのでしょうか。 3・11東日本大震災からの復興はいまだ途上にある中、被災地では、このTPP参加に不安の声が上がっています。それは、被災地の主要な産業である農林水産業が、関税ゼロで大打撃を受けかねないからです。TPP参加で関税ゼロになれば、食料自給率は40%から13%に落ち込むと農水省が発表しています。 また、TPPで大打撃を受けるのは農業だけではなく、米国通商代表部が、2011年外国貿易障壁報告で50項目もの対日市場開放要求を突きつけていることで一目瞭然です。 日本がBSE対策として、牛肉と牛肉製品の輸入を月齢20カ月かそれ以下のものに制限していることについて、米国は、「日本が米国産の牛肉と牛肉製品の利用を制限している」として、日本の牛肉市場の再開放を要求しています。 また、日本では遺伝子組み換え食品には、そのことを食品に表示することが義務づけられていますが、米国は日本政府に表示を行わないよう要求しています。もし、これらの米国の要求が通れば、日本の消費者にとって重要な「食の安全」が脅かされます。公共事業や保険市場の開放で米国企業の参入を促すなども含め、米国からの物のサービスの一方的な輸入拡大で、日本国内の失業者をふやし、国内の需要を一層冷え込ませることにもなります。 そして、国民の命を預かる医療分野を市場化し、外国企業が参入することもねらわれているのです。憲法25条の生存権に基づき、保険証1枚でいつでもどこでも安心して医療を受けられる国民皆保険制度を壊してしまい、営利企業のもうけにしていいのでしょうか。それで私たちは幸せな生活が送れるのでしょうか。 TPP交渉は、圧倒的な力を持つアメリカ主導で行われます。このような重大な交渉が国民の目が届かないところで進められていることに、オーストラリア、ニュージーランドなどの市民社会でも抗議や情報公開を求める声が高まっています。 アメリカ国内でも、北米自由協定などで雇用が奪われ、貧困が拡大した経験から、貿易自由化に反対する国民が多数であることもあり、オバマ政権はTPP交渉の実態をほとんど国民に知らせていないということです。参加国の国民にも知らせないような、驚くべき秘密交渉に日本が参加すべきでないことは明らかです。 また、TPPでアジアの成長を取り込めると言われていますが、今急成長しているアジアの国――中国、韓国、インドではTPPに入るなどと言っていません。参加国の多くは、小国で物を大量に買うような経済力は持っていません。GDP比で見ると、アメリカが7割、日本が2割、残りの8カ国で1割で、実質的にはアメリカと日本の2国間協定のようなものとなるそうです。 今、アメリカの経済も落ち込んでいるので、日本の製品をたくさん買ってくれるかというと、その可能性も低いでしょう。むしろアメリカから日本が物を買わされるようになるだろうと言われています。オバマ大統領は、「今後5年間で輸出を倍増する」と2010年1月に宣言しています。アメリカがTPPで輸出を大きく伸ばすとしたら、その相手は日本以外にあり得ないということです。TPPを推進する最大のねらいも、自国の大企業、産業の利益拡大や雇用の維持にあると公然と主張もしています。 このような驚くべきTPPですが、昨年秋までの1年間で8割前後の地方議会が反対、慎重の意見書を採択し、JAグループが中心となった請願署名は1,167万人、国会議員の過半数368人がその紹介議員となるなど、国民運動としてはかつてないスピードで行われ、野田内閣がTPP参加を正式に表明するのを押しとどめる力となっています。 TPPの情報を多くの人に知らせ、日本の一般市民にとっては何ひとつメリットのないTPP反対の声、意見書を岩国市議会でも上げるときではないでしょうか。 このTPPで岩国市民の生活にどのような影響が及ぶのでしょうか、市長の御見解を伺います。 また、岩国の農業にはどのような影響があるとお考えかをお尋ねいたします。 続いて、2項目めの放課後児童教室についてお尋ねいたします。 3月議会に引き続いての質問ですが、児童教室の環境整備を行ってほしいということです。これまで旧岩国市でも、合併前の各町村でも保護者の要望にこたえ、放課後児童教室が実施されてきました。 しかし、働くお母さんがふえ、場所によっては狭い部屋に児童が詰め込まれている状況です。子供たちにとって児童教室は生活の場であり、健康や安全の管理など、養護も含めた基本的な生活が保障され、成長段階に見合った適切な働きかけ、指導、援助が行わなければならない施設です。 これまでは、共働きやひとり親家庭等の保護者の声で実施に向けて取り組んでこられたのだと思いますが、今後は、早急に他の教育施設や保育施設、児童福祉施設同様、すべて児童はひとしくその生活が保障され、愛護されなければなりません。 主に小学校1年生から3年生までの異年齢の児童が、ともに生活し、教えたり、教えられたり、頼ったり、頼られたりする一方で、縦の関係がそのまま力関係になる危険性も含まれています。 また、障害を持っている児童の生活の場ともなるので、一人一人の子供たちが大切にされる子供関係を育てていくことが求められています。 生活環境がきちんと整備され、安全面、健康面、衛生面が保障されるのは当然のことです。藤河中学校の空き教室を利用している児童教室は老朽校舎で、指導員の先生からも「地震が来たら怖いです」という声が出ています。トイレも古いので、薄暗く、和式で、女子児童が私に「おばちゃん、あのトイレ花子さんが出るよ」と言っていました。 また、御庄は、小学校のランチルームの一角を仕切り、足の踏み場がないほどに子供たちが入り乱れ、大変な様子がうかがえました。「夏は暑く、冬は寒い」との声でした。学校の近くに地域の方がおられたので尋ねてみると、「新たに家が建ち、子供たちの数がふえている。何とかしてもらわないとかわいそう」とのことでした。 由宇も体育館下の物置を整備してつくられたので、藤河、御庄同様、ぐあいの悪い子がいても、同じ教室の片隅に寝かされて保護者の迎えを待つしか方法がありません。 特に、藤河、御庄については、市長にぜひとも現場を見ていただき、急いで改善していただくことを求めます。 また、3月の教育民生常任委員会で大西議員も尋ねられ、要望されましたが、できれば学校により近いほうがよく、校内にあればなお、児童にとっても長い夏休みのプールも利用しやすいわけですから、余裕教室の活用も学校現場と話し合い、できるだけ時間をかけずにお考えいただきたいと思いますが、その点はいかがなものか、お尋ねいたします。 最後に3項目め、JRのダイヤ改正について質問いたします。特に広島方面へ通勤、通学の方たちからの要望です。 私の夫も、毎日広島まで通っていますが、ここ1年、特にことしの3月のダイヤ改正――というより改悪と言ったほうが適していると思いますが――から本当に不便になったと、スタートした何日かは怒り心頭に発するの一言でした。 上りの列車から見てみますと、由宇発の場合ですが、早朝6時14分をスタートに、7時46分までの間、5本が由宇―広島間の直通便で乗りかえなしで広島まで運行されていますが、その後8時15分から夜の8時7分まで、1本も直通便はありません。その後1本だけ8時52分発という直通便があるだけで、すべて岩国で乗りかえです。由宇発岡山行きの直通は全くなくなりました。 下りはというと、広島発7時6分以降は夕方の4時51分まで由宇までの直通便は全くありません。夕方6時台から7時13分まで数本直通便が出た後は、今度は岩国で10分から19分の待ち合わせ時間がある便ばかりで、電車が来たからと急いで乗車し、7時52分広島発に飛び乗っても、岩国発は9時31分までありません。待ち合わせ時間が43分もあるような組み方で、広島からよくよく調べて乗らないと、岩国から下る人はその時間帯は51分待ちというのもあります。 JRは、岩国から下りの便を大幅に改悪しています。広島へ通う学生さんを持つお母さんは、「神代にとまる便が3月から減り、行きも帰りも由宇駅まで車で送り迎えをしている。柳井までの便をふやしてほしい、もとに戻してほしい」と言っていました。神代から岩国行きのバスがあるわけでもないし、これでは、JRの利用者はますます減るばかりです。市民からは、JRへの苦情がふえる一方です。市当局から、市民のもとに戻せの怒りの声をJRに強く要望してください。 以上で、壇上からの質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  坪田議員御質問の第1点目の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)についてお答えいたします。 市民生活に及ぼす影響についてでございますが、2011年11月、野田総理は、APECの開催地であるホノルルで、TPP交渉への参加方針を表明されました。その後の記者会見では、「これから関係国と協議する中で、情報をしっかり開示、提供して、国民的な議論を行い、最終的には国益の視点に立って結論を出していく」と述べられております。 しかしながら、政府内でもTPPの賛成派と反対派が対立し、TPP交渉への最終的な参加表明まで至っていないのが現状でございます。 野田総理は、今国会の参議院予算委員会でも「国民理解が進んでいない、きちんと国会の中で審議していない状況で、何でもかんでも進めるということではない」と答弁されております。 このような状況の中、第2次野田改造内閣の新閣僚、郡司農林水産大臣は、TPPについて「日本の国益になると考えるのは難しい」と交渉入りを目指すことに否定的な考えを示されました。 岩国市の農業を取り巻く環境は、農業就労者の高齢化、後継者不足、農作物の価格の低迷など、非常に厳しい状況にあります。TPPへの参加は、特に輸入米による影響が大きいと予想されており、米作を中心とする日本の農業への影響は、避けられないものと考えられます。 また、経済全体に与える影響につきましては、各省庁において個別の分野について試算等を行っているようでありますが、その影響や程度についてまで把握できていないのが実情でございます。 いずれにいたしましても、市の経済はさまざまな産業から成り立っておりますので、今後の推移を見きわめながら、機会をとらえて市長会での議論等を通じて、慎重に対応してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  第2点目の放課後児童教室についての(1)環境の整備についてお答えします。 放課後児童教室は、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学生を対象に、放課後や長期休業中に適切な遊びや生活の場を提供し、その児童の健全育成を図っていくという大きな役割を担っており、現在市内に31教室の開設をしております。 その設置場所は、学校敷地内や公有地の専用施設で実施するものが12教室、学校の余裕教室等を活用するものが12教室、これらを併用するものが1教室、児童館等で実施するものが6教室あります。定員が1,486人に対しまして、1,152人の児童を保育しております。 これらの施設の整備状況につきましては、平成21年度より再編交付金を活用し、平田放課後児童教室ほか2教室を増改築するとともに、今年度は山口県放課後子どもプラン推進事業費補助金を活用し、玖珂北放課後児童教室の定員増に伴う改修を予定しておりますが、依然、言われましたように老朽化や狭隘化した施設を有し、当該施設を計画的に整備する必要があります。 しかしながら、今年度より、国の補助メニューも大変厳しくなり、教室創設時のみに限定されるなど、施設整備に要する経費はますます一般財源化が進んでおります。 こうした中、本年度、神東放課後児童教室につきましては、地元神東地域振興協議会が神東地域交流センター「ひだまりの家」を活用し、地域と連携した民営型の子育て支援を行っておる例もございます。 御提案の学校施設内の余裕教室等を放課後児童教室に活用することは、学校との連携を深め、安全管理面や経費面にも非常に有効な手法と考えております。 しかし、学校現場におきましては、特別支援教室の充実、多様化する学習指導内容に対応した少人数指導や英語学習などの多目的ルームに活用されるなど、その転用も難しい施設もございます。 こうした状況にありますが、放課後等を過ごす児童の良好な生活環境を整え、安心・安全な居場所づくりを進めるため、児童数の推移や保育ニーズ、施設の実態、また学校や公的な施設の活用等も総合的に検討した上で、施設整備計画の策定も含め、関係機関と連携調整を図り、放課後児童の健全育成に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総合政策部長(中岡正美君)  第3点目のJRのダイヤ改正についての市民生活に及ぼす影響ついてお答えします。 3月17日のJR西日本のダイヤ改正につきましては、道路の整備、マイカーの普及、沿線人口の減少等により、列車本数に比較し列車の利用者数が減少するなどの乖離が見られることから、列車利用の少ない昼間の時間帯を中心に見直しが行われております。 今回のダイヤ改正により、一部快速列車の各駅停車化や、編成車両数及び列車本数が削減されるなど、通勤等の利便性だけでなく、昼間の時間帯に利用される高齢者の方など交通弱者への影響は大きいものとなっております。 市といたしましては、ダイヤ改正前の2月23日に開催された山口県市長会に「高齢者等交通弱者に対する在来線の利便性の向上及び安心・安全な駅利用のための対策について」を議題として提案し、承認されましたので、JR西日本、県選出国会議員、県知事に対し市長会としての要望書が提出されております。 翌2月24日には、JR西日本広島支社長に対し、ダイヤ改善等について市長が直接要望しております。 現在、市におきましては、岩国駅舎のバリアフリー化を含む岩国駅周辺整備事業の推進により駅の利便性向上に努めているところであり、JRにおきましても、鉄道利用者の利便性向上につながるダイヤの見直しを行うよう強く要望してまいります。 また岩国市みずからも、公共交通の利用促進を図る中で、市民や来訪者のJRの利用啓発に積極的に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。 ◆29番(坪田恵子君)  順不同で再質問をさせていただきます。 JRのほうからなんですけど、現在のような状況では、たとえ岩国駅が橋上化されても、橋上化の魅力はなくなるんじゃないかと思うぐらいJRの利用者が減り、逆に悪循環になると思います。やはり今、住民が通勤や通学で本当に困っておられるわけですから、すぐにでも改善すべき問題で、JRが以前のように戻すまで市のほうから何度も要望するべきだと思いますが、その点いかがですか。お願いいたします。 ◎総合政策部長(中岡正美君)  今回の改正でかなりの減便がされております。これは利用者数の減ということでございますが、………………………………………………………………………………(笑声)とにかく大変不便になっておりますので、市といたしましては……(「訂正しちょったほうがええぞ」と呼ぶ者あり)済みません。(発言する者あり)取り消してください。(発言する者あり)岩国市としましても、当然、これから早い時期に要望してまいりたいと考えております。 ◆29番(坪田恵子君)  早急に強く要望していただくことを求めておきます。 次に、放課後児童教室についてです。 現在、学校の余裕教室を何校か利用しているところがありますが、学校の余裕教室を利用しているところは図書室や保健室など、いざというときに――図書室はいざというときじゃありませんけれど、救急を要したときに保健室なども利用可能となっているのかどうか。そういう許可を教育委員会から得て利用しなければいけない状況になっていると思うんです。勝手に利用できないと思いますけど、そういう点がどうなのかお尋ねするのと、放課後児童教室が18時まで延長されることになりましたが、保護者の都合でお迎えが遅くなったりし、もし先生が先に帰られたりしたときはどういうふうにされているのか、その点ちょっと伺います。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  まず、1点目の学校の余裕教室を現在活用しているのが12教室でございます。これにつきましては、学校のほうへ行政財産の使用の許可申請という形で使用を行っております。それで、図書につきましては、それぞれの教室の中で、十分とは言えませんが準備をしておるような状況でございます。 それから、保健室につきましては、養護教諭がおられる場合には相談に乗っていただくこともありますが、そういった場合には、原則としましては保護者の方に連絡をしまして、迎えをお願いしておるというような状況でございます。 ◆29番(坪田恵子君)  余裕教室だけじゃなくて、どこの放課後児童教室でも病気になった場合は、ちょっとの間片隅に寝かせておいて保護者の方に連絡するというのはわかるんですけど、病気になったときに学校の余裕教室を利用している場合は、保健室に養護の先生がおられる場合は養護の先生にお話ししていいのかもしれませんが、夏休み等でおられなかったりした場合は、それを教育委員会の許可を得て使うということですか。それとも指導員の先生が保健室とか図書室を使ってもいいということになっているんでしょうか。もう一度お願いいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  基本的には、学校のほうへ連絡して許可を得てというような形になろうかと思います。 それから、先ほど1点お答えを漏らしておりました。保護者の方の都合で18時までに迎えに来られない場合につきましては、緊急の場合ということでございましょうが、保護者からの連絡でどうしても18時までに迎えにこられないという場合には、指導員が迎えにこられるまでは基本的には待っておるような状況でございます。 ◆29番(坪田恵子君)  教育委員会と連携をとってということになるわけですよね。藤河と御庄を見せていただきましたけれど、藤河の放課後児童教室は本当にびっくりするぐらいです。私は由宇の児童教室は倉庫の中のようなところに詰め込まれているので、早く改善してほしいなと思いましたけど、藤河を見たらこんなところに子供たちがいるんだというような状況で、非常に驚きました。震度3ぐらいでも崩れるんじゃないかなと思うような状況のところに子供たちがおられるんですけれど、その児童教室を早急に改善するというお考えはないでしょうか。玖珂北をこのたび改修する――新しくつくるということでしたが、藤河についてはいかがですか。お尋ねいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  今言われましたように、由宇小学校の教室だけでなくて、壇上からも申し上げましたが、老朽化、狭隘化した施設はまだほかにもございます。確かに藤河の場合が、本年の5月1日で30人定員のところが、一応22人ということではございます。それから、御庄のほうにつきましては、30人定員が現在39人の入室があります。こちらはもう定員をオーバーしておるような状況でございます。 整備につきましては、壇上からも申し上げましたが、年間によく行いましても、1カ所ないしは2カ所というような形で今来ております。これは今現在で順番をつけておるわけではございませんので、全体の状況を確認させていただきまして、できるだけ早急に実施していきたいとは思っております。 ◆29番(坪田恵子君)  市当局に藤河と御庄の1年生から3年生までの児童数と入室率というのを出してもらったんですけど、藤河も御庄も子供たちの数は減ってないんです。新しく家を建てる方が藤河と御庄は多いのか、その辺はよくわからないんですけど、平成22年から平成24年の3年間ですけど、30人の定員で22人ほど、入室率が70%ぐらいです。御庄は平成22年の1年生から3年生の数が74人に対して37人、23年が68人に対して35人、24年――ことしが77人に対して39人。30人の定員よりも9人も多いわけで、入室率も50%を超えてるわけです。そういう中で、勉強している子供もいるけど、遊んでいる子供たちもいて、もうごちゃまぜ、本当に入り乱れていて、先生も子供たちの声を聞くのも大変な状況で、また、ランチルームの一角を仕切っているわけですが、本当に狭い中でぎゅうぎゅう詰めでやっているような状況です。 藤河に移りますけど、藤河の指導員の先生が、「地震が来たらどうなるんでしょうか。大丈夫なんでしょうか」と言われたのがとても印象に残っていて、あしたにでも地震が来たら崩れてしまって、子供たちの命が危ないんじゃないかと思うような状況に、放課後児童教室を改善しないで、子供たちをそこで指導するというか、置いておくというのは本当にいかがなものかと思うんです。 やはり市長が直接現場に出向いてその現状を見ていただいて――地域の方も言われているわけです。本当にかわいそうだというふうに言われているわけですから、1年に1教室ずつの改善とかというのではなくて、子供の命を守るためには手だてを考えるべきだと思うんですけれど、藤河中学校の空き教室以外、藤河地区には手だてはほかにないんでしょうか。お尋ねいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  今、言われました藤河につきましては、藤河中学校が現在休校中でございます。そこの中の1教室、それから御庄につきましては、御庄小学校の多目的ホールを使用しております。 地震が来た場合、あすにでも壊れそうと言われますと、そのあたりの判断は非常に難しいわけではございますが、いずれも小学校、中学校の施設ということでございます。このあたりも教育委員会のほうと早急によく協議をしまして、対応させていただきたいと思っております。 ◆29番(坪田恵子君)  実際に市当局としては各児童教室を見て歩いたことはあるんでしょうか。お尋ねをいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  市当局といいますか、担当課のこども支援課のほうは十分に把握はしております。私も全部の施設には正直なところまだ伺ってはおりませんが、かなりの場所につきましては、一応把握させてもらっております。 ◆29番(坪田恵子君)  見て歩かれているんでしたら、現状を御存じだと思いますので、1番、2番というふうに改善する順番をつけるのではなくて、先ほどから言っていますように、子供たちの命を守るという点からも早急に見直していくべきだと思いますが、1年に1教室というお考えではなくて、改善しなければいけないところがたくさんあった場合は、予算をつけてでもやるというお気持ちはないんでしょうか。お尋ねいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  今予算のお話も出ましたが、担当部局としましては、できるだけ早急にという考えは持っております。また、全体の把握といいますのが、正直なところ私もまだ確認していない状況もございます。それから今言われましたのは、あくまで小学校、中学校ということもございます。教育委員会のほう、また財政のほうともいろいろ協議をさせていただいて、できるだけ早期にできますように努めてまいりたいと思います。
    ◆29番(坪田恵子君)  ぜひ市長にも現場に出向いて見ていただきたいと思いますが、その点はいかがですか。お尋ねいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  状況につきましては、市長のほうにも報告したいと思っておりますし、また私自身も全体をまだ見ておりませんので、そのあたりも確認をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。 ◆29番(坪田恵子君)  担当部長もそういうことではいけないと思います。やはり全部をしっかり見て、子供たちの現状を把握していただきたいと思います。 あと御庄のランチルームの一角を、本当に狭い一角をつい立てのようなもので仕切っていて、エアコンはついているんですけど、夏は暑くて冬はすき間風が入って非常に寒いということでしたが、夏休みは子供たちがお休みなので、あのランチルームは全部開放できるんじゃないかというふうに思っている――夏休み以外でもランチルームというのはお昼しか使わないわけですから、開放して使えるんじゃないかというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。それもやはり教育委員会と協議をしないと難しいんでしょうか。お尋ねいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  先ほどから申し上げておりますが、学校の施設、特に御庄のほうは実際にまだ運用されております。長期の休暇中については、あるいはという気もいたしますが、通常の場合にはやはり難しい面があろうかと思っております。 ◆29番(坪田恵子君)  教育長のお考えはいかがでしょうか、お尋ねいたします。 ◎教育次長(多谷本清晴君)  放課後児童教室での教育施設の利用ということですが、現状の教育の目的を阻害しない範囲で活用ということで、ちょっとその辺の御庄の件は、どうして半分というのか状況を把握しておりませんが、今実際に使用するのに支障があるということではあろうかと思いますが、その辺はまた健康福祉部とも、また担当課とも話をしてみたいとは思っております。 ◆29番(坪田恵子君)  藤河は場所を移動しないと改善できませんけれど、御庄は広げることですぐに改善できるわけです。行かれたらわかると思うんですけど、子供たちは30人定員といっても、あの中で一人当たり1.65平米でしたか、一人当たりの学童保育の広さがないぐらい、本当に汗にまみれて子供たちがその中に詰め込まれてるわけです。そういうものを放課後児童教室といっていいものなのかどうなのかと。 平田とか川下は新しく児童教室を建てかえましたけれど、保護者の方たちは平田や川下の新しい教室、岩国もそうですけど、それを見られたらここは何だろうというふうに思われると思うんです。私が親でもそういうふうに思います。そのような状況の中で、もし教育委員会がオーケーしてくれればすぐに改善できるような状況にあるわけですから、その点はやはり教育委員会とすぐに話し合って、改善していただきたいと思います。 それと、教育民生常任委員会で大西議員もお尋ねしていますが、所管を学校側に移すことは、こども支援課と教育委員会でお話しされるということだったと思うんですけれど、その点の協議はどのようになっていますでしょうか。その後どのように進展されているのか、お尋ねいたします。 ◎教育次長(多谷本清晴君)  健康福祉部とはその後協議をいたしております。所管を移すに当たってのメリット、デメリット等のお話もさせていただいたりもしておりますし、現実に制度上の問題や組織上の問題、また現在行われております関連する事業との整合性等、いろんな問題があるというふうに認識しております。 しかしながら、何より放課後児童教室に通う子供たちの安心・安全といいますか、それとまた子供が健やかにという環境整備というのも必要であるというふうに感じております。 そうしたことから、所管に関する協議というのを引き続き続けてまいりたいというふうに思っておりますが、現在、実施しております事業運営に関しましても、より適切な事業運営が図られますよう、より一層連携、協力してまいりたいというふうに思っております。 ◆29番(坪田恵子君)  十分協議をしていただいて、教育委員会がオーケーを出していただければ、御庄の問題はすぐに解決すると思うんです。協議を延ばしているのかどうなのかよくわかりませんけれど、なぜ協議が早く決まらないというか、教育委員会へ移せないというか、そんなに大きな問題があって、事情があって協議が進まないんでしょうか。難しい問題というのがあるんでしょうか。教育長、お尋ねいたします。 ◎教育次長(多谷本清晴君)  今の問題につきましては、詳細について確認しておりませんので、具体的に今の状況がなぜ改善できないのかというのは、ここではお答えはできませんが、実際にこれまでもその辺のお話はあったかと思います。現場サイドにおいてその辺の改善というか、対応ができないというのは、それなりに問題があるんだろうとは思いますので、再度確認をしてみたいと思います。 ◆29番(坪田恵子君)  教育委員会に所管を移すということは、学校の空き教室が利用できて――空き教室がなかなか利用できない状況にあるというふうに答弁もされましたけれど、空き教室が利用できて、保健室等も使えるようでしたら、子供たちにとっても非常に便利になると思うんです。経費もかさまないわけですから。障害を持った子供たちや英語教室など、空き教室が出てもそういうのに使われるから難しいというふうにおっしゃいますけれど、その辺はやはり子供たちの数が減っているわけですから、工夫することが必要だと思うんです。 藤河、御庄に関しては子供たちの数というのは、特に御庄は減る方向ではなく、空き教室は全くないということですけど、ランチルームをすぐに教育委員会に所管を移せば改善できる方向に行くと思うんです。そういう点、やはり子供たちのために早く所管を移すよう考えるべきではないかというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。所管を移さなければランチルームは全部屋というか、現在は一角ですけど、ランチルームすべてを使えないという状況にあるのかどうなのか。もう一度お尋ねいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  先ほどのランチルームの件ですが、所管がえをしないと利用できないということはないと思います。これはあくまで使用の目的ということで、義務教育と放課後児童教室につきましては、あくまで厚生労働省の事業というような形でありますので、そういう制度上の区別ということでございます。 ですから、長期休業中のランチルームの使用等については、協議で早急にある程度お答えは出せるんじゃないかと思っております。 また、所管がえにつきましても、職員の配置、今現在の職員をまた教育委員会へというようなこともございますので、区切りといいますか、時期の問題もあろうかと思います。協議を始めましたのが、4月の初めとなっております。メリット、デメリットというような話があったと思いますが、通常考えた場合、教育委員会で義務教育と一緒に今の厚生労働省の事業をやっていただいたほうが、実際の運用面上はメリットはあるんではなかろうかというふうには私のほうは思っております。 そうした方向でまた教育委員会のほうと協議をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。 ◆29番(坪田恵子君)  一部が今現在使われているわけですから、所管を移さなくても使えるというのはわかるんですが、全ランチルームを使う場合は、教育委員会に所管を移さないと使えない難しい問題があるのかなというふうに思ったんですが、そういうのはないわけですね。 教育委員会との協議の中で話し合いがうまくまとまれば、すぐに使えると認識というか理解しましたので、ぜひそれをやってください。お願いいたします。教育長の答弁を求めます。 ◎教育長(佐倉弘之甫君)  それでは、お答えしますが、先ほどから部長が申しているように、制度上で文科省と厚生労働省の問題があるということを含めまして、検討するということでございますが、あくまでも学校施設そのものは学校の教育が主目的であるので、学校の教育活動に支障のない範囲の中で取り組むということが基本になろうかと思います。そういう中で議員が言われましたように工夫できないものか、あるいは融通がきかないものかというところにおきまして、今後協議していくということでございますので、この場の回答としてはそこまでだというふうに思っております。 ◆29番(坪田恵子君)  ちょっと申しわけないんですけど、理解しにくいんですが、今ランチルームの一部を使ってるわけですよね。それを広げるということで、学校の支障が何かあるんですか。お尋ねいたします。 ◎教育次長(多谷本清晴君)  ランチルームの一部使用は可能で全部使用は不可能かということなんですが、そのあたりの制度について、ちょっとここですぐお答え――どういういきさつで現在は半分の使用ということになっているのかが、ちょっとここでは確認ができませんので、その辺は確認をさせていただいて、担当課とまた話をさせていただければというふうに思っております。 ◆29番(坪田恵子君)  ランチルームの半分も利用されていません、4分の1か5分の1ぐらいの広さだと思いますけれど、あの狭いランチルームのほんの一角です。それを仕切ってるわけですから、もうそれは早急に話し合いを持って、ぜひとも御庄のランチルームだけでも開放できるような方向に持っていっていただきたいと思います。それを求めておきます。 次に、TPPに移ります。現在、岩国市の総農家数は4,766戸ということですが、市内の農業従事者はこのTPPに参加したらどういうふうになるのか。TPPがもし入ってきたら、市内の農業従事者はどういう影響を受けるのか、試算はされているでしょうか。お尋ねいたします。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  国が農業生産全体に係る影響額ということで、22年10月に示しております金額、これで県がその金額をはじいているのが355億円ということで、前回山田議員にお答えをしているところだというふうに思っておりますが、355億円につきましては、国がこれだけ減るという指数をただ掛けただけという大まかな数字でございますので、それぞれの影響額については手法がはっきりしておりません。 ということで、当然、生産者の方から問われてもきちっと答えることもできませんので、市としてはこれについての試算をすることはございません。 ただし、今議員がおっしゃったように、農業センサス上でいいますと、全体の世帯からいうと農家戸数は8%程度で、自分たちが食べる分をつくっている自給的農家というのがその半分ぐらいになります。それから販売目的に農業をやるというのが2,200戸、そのうち専業でやっている本当にごく一部の農家の方が、今農業を守ってくださっているという認識でございます。 だから、零細な農家が多いという判断をしておりますので、TPPが導入されたらどうなるかというのは、当然零細な農家についてはおやめになるということになれば、農地が荒廃をする。それについては何としても国に踏ん張っていただきたいということで、今考えておりますので、よろしくお願いします。 ◆29番(坪田恵子君)  国に対して踏ん張っていただきたいというのは、TPPに参加しないほうがいいというふうに思われてるわけですね。お尋ねいたします。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  影響を考慮して、交渉に入るか入らないかということは慎重に判断をしていただくと。特に、先ほど壇上で議員がおっしゃいましたように、国を二分するというような中で、国民的議論がしっかりされることが非常に大事になってくるというふうに考えておりますので、それを本市としては十分に注視していきたいということでございます。 ◆29番(坪田恵子君)  先ほども言いましたように、お米だけではなくて危険な牛肉や遺伝子組み換え食品というのが、この岩国にも入ってくるわけです。安全な食料が口に入らなくて、遺伝子組み換え食品という――現在は4項目ですけれど、その表示がなくなれば、市民にとって何が遺伝子組み換え食品――御存じだと思いますけど、現在は納豆とかお豆腐とかに「遺伝子組み換えではない」というふうに表示されてありますけれど、表示があってこそそういう食べ物が守られているんですが、TPPに参加すると、アメリカの言うことを何でも聞かないといけないわけですから、表示の義務がなくなった場合は、どれが遺伝子組み換え食品なのかわからないような状況になるわけです。現在も油は、遺伝子組み換えの菜種とトウモロコシと大豆と綿実の4種類は日本に入ってきてると言われているんですが、油の関係はDNAの関係で表示しなくてもいいというふうになっているので、最近非常に油が安くなったなというのを考えたら、遺伝子組み換え食品が使われている可能性も十分あるわけです。 そういうふうに表示があるかないかで、市民の生活は大きく変わるんですが、遺伝子組み換えというのを市として十分に把握されているかどうか、お尋ねいたします。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  十分に把握しているかどうかというのは、先ほど議員がおっしゃいましたように加工用については表示をされておりませんので、十分承知しているわけでございません。ただ、厚生労働省の食品安全部が遺伝子組み換え食品のホームページで、どういうものが遺伝子の組み換えをしているとか、品目についてであるとかいうことで、情報を開示しております。 その中で、ここにある食品につきましては、十分安全は確保されているということで認識しております。ただこれがTPPに参加した場合はどうなるのかというのは、まだこれは条件として言われているだけでございます。食品安全基本法がBSEを一つの契機として平成15年に改正されております。その中で、日本の安心・安全のための農薬の規制であるとかというものについてもしっかりございます。そのことについて今協議の段階でございますのでお答えすることはできませんが、今までの立場から申し上げると、今まで日本の消費者と生産者がともに汗を流して食品の安全を求めてきて、国際社会の中では一番厳しい基準の中でやっていると。ここについても先ほど申し上げましたが、しっかり国においてもその基準を守っていただくようお願いしていきたいというふうに思っております。 ◆29番(坪田恵子君)  TPPが導入されれば、遺伝子組み換え作物を売りたいアメリカの企業にとっては、この表示制度が紛れもなく非関税障壁だということです。アメリカは日本と違って遺伝子組み換えの表示義務はないそうなんです。それがもう入ってくるわけですから、本当に危険なものだというふうに思いますし、一部のアメリカの企業のためにそういう遺伝子組み換え食品を日本人は食べさせられる。モンサント社という大きな会社があるわけですけれど、その会社が遺伝子組み換えの種を日本に売りたいというもくろみというか、魂胆もあるように聞いています。そういう食品が日本に入ってくるようなことにならないように、ぜひともTPPにしっかりと反対していただくということが大事だと思います。 既に日本は、1960年の新安保の改正による安保条約第2条の経済的協力の促進で、アメリカの余剰農産物――小麦とか脱脂粉乳が学校給食で出ましたけど、学校給食法も1960年に定められて、そういうものがアメリカから日本に入ってきているわけなんです。だから、もう既に安保条約の第2条で私たちは胃袋までアメリカに従属させられているような状況があるわけなんです。 それなのに、追い打ちをかけるようにTPPを導入するというのは、全くけしからん。私は賛成するわけにはいきませんので、市としてもそういう考えのもとでやっていただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  食料安全保障ということで、食料・農業・農村基本法というものが平成11年にできております。これは食料の安定供給の確保ということで、農林水産省がつくった法律でございますが、この中で、食料は、人間の生命の維持に欠くことができないものであり、かつ、健康で充実した生活の基礎として重要なものである……。 ○議長(松本久次君)  時間です。 以上で、29番 坪田恵子さんの一般質問を終了いたします。 4番 越澤二代さん。 ◆4番(越澤二代君)  皆様、こんにちは。一般質問も三日目の最後の登壇でございます。皆様には大変お疲れのことと思いますが、最後の一人です。よろしくお願いします。 先ほど飛び込んできた、オスプレイがフロリダで墜落したとのニュースにびっくりして驚きを隠せないところですが、やっぱりかとの思いも隠せないところでございます。 それでは、通告に従い一般質問を行います。 初めに、再生可能エネルギーの推進についてお伺いします。 東日本大震災による原発事故の後、安全な再生エネルギーへの国民の期待は大きくなっています。しかし現状では、日本のエネルギー自給率はわずか4%にすぎません。エネルギー資源が少ない日本で、今新たなエネルギーとして注目されているのが、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど自然の力を利用した再生可能エネルギーです。 自然界で繰り返し起こる現象から取り出すことができ、枯渇することなく、持続的に利用できるエネルギー源です。また発電時には地球温暖化の原因となるCO2をほとんど排出しない、クリーンなエネルギーでもあります。 自然豊かな日本には、こうした再生可能エネルギーの資源が豊富に存在しています。今後、エネルギー自給率を高めるとともに、CO2の排出量を大幅に削減していくためには、再生可能エネルギーをさらに普及・拡大していくことが必要です。 本年7月からこの再生可能エネルギーの普及・拡大を目的として、「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度」がスタートします。再生可能エネルギー普及元年に当たる岩国市の再生可能エネルギーに対する基本的な考え方と現状の取り組みについてお伺いします。 次に、小水力発電等の導入についてお伺いいたします。 水道事業は、水をきれいにしたり、各家庭に水を送り届けたりするために動力の大半に電力エネルギーを使用し、地球温暖化による生態系の変化や異常気象の要因となるCO2を発生させています。したがって、安全でおいしい水道水を安定的に低料金で供給するためには、地球温暖化を防止し、健全な水をはぐくむ自然環境を保全することが不可欠です。 現在、岩国市の水道は、昭和14年に供用開始し、高度成長期につくられた施設が大半を占めるため、耐用年数を超えた老朽化施設の更新・耐震化が急がれており、着実に実行していかなければならないときを迎えております。耐震化計画を策定するに当たっては、環境に優しいエネルギー政策や発災後の電力確保などの観点も考え合わせての計画が求められています。 小水力発電は、水の落差と流量があればどこでも発電でき、低コストで環境に優しい再生可能エネルギーです。水道施設の耐震化の計画の中で、耐震化にあわせて環境にも配慮した小水力発電や配水池などの広い敷地を利用しての太陽光発電などの導入も不可欠と考えます。当局のお考えをお伺いいたします。 次に、省エネ対策についてお伺いします。 全原発が稼働しない夏が近づいてきます。それはまさしく節電の夏でもあります。東日本大震災を契機とする電力不足に対して、ことしの夏も引き続き電力需給の厳しい状況が続くことが見込まれています。 中国電力管内においても、平成22年と比べて5%以上の節電要請があり、全国レベルの節電で生み出せる電力融通の有用性は大きいと考えられます。 既に冷房需要が本格化する夏が迫っています。環境月間でもある6月にブラジルのリオデジャネイロで「国連持続可能な開発会議」が行われます。改めて、リオ宣言に込められた持続可能な未来を築くためにも、省エネ社会構築に努めなければなりません。 この夏、節電文化を深化させ、多くの公共施設を持つ自治体が、無理のない範囲で節電に取り組み、模範として社会に示していくべきだと思います。 このような観点から、現状とこの夏の我が町の節電への取り組みについてお伺いいたします。 3、市民の健康増進についてお伺いします。 1点目、がん検診受診率の向上についてお伺いします。 日本では、生涯のうちに二人に一人ががんにかかると推計され、3人に一人ががんで亡くなるほど身近な病気なのですが、日本人の多くはがんについては認識不足であり、よく知りません。 欧米などと比較して、がん検診受診率が低いのは、知識や情報が少ないことも大きな原因であると言われています。2012年度から国のがん対策の骨格を定める第2次「がん対策推進基本計画」が閣議決定されました。がん対策基本法に基づき2007年に制定された計画の5年ぶりの見直しです。 現行計画の大きな目的は、今後、5年間で分野別施策を含めてがんによる死亡率を20%減らすことです。そのため、がんの早期発見・治療を目指し、肺がん、胃がんなどすべての検診受診率50%以上の早期実現を目指すとする目標が設定されてきました。 しかし、五つのがん検診の受診率は現在20%から30%にとどまっています。次期計画でも検診受診率の向上が大きな課題となることは言うまでもありません。 一方、この間で、無料クーポンの実現により乳がんなど女性特有のがん検診受診率が上昇したことは、今後の検診受診率の向上に向けて大きな弾みになったことは間違いありませんが、さらに、検診受診の手続の簡素化や受診勧奨の推進など市民の側に立った対策強化が求められています。 また、新計画案では、小児がん対策がクローズアップされています。小児がんは子供の病死原因の第1位で、年間2,000人から2,500人が発症しています。小児がんは白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫などが多く、また、治癒した場合でも後遺症による発育・発達障害や臓器障害に加え、2次がんを発症することもあり、患者や家族はさまざまな問題を抱えています。患者や家族が安心して適切な医療を受けられるための取り組みも急がれているところです。 そこで1点目、我が町の検診受診率の実態と、受診率の向上への取り組みについて、2点目、小児がん対策についての我が町の取り組みについてお伺いいたします。 次に、健康増進のためのラジオ体操の普及についてお伺いします。 ラジオ体操第1は、ほとんどの皆様がその音楽を聞いただけで体が勝手に動き出すくらい広く市民に定着している体操です。やり方を守ってきちんと体操すれば、第1と第2体操で約6分半、個人差はありますが、35キロカロリーを消費し、毎日続ければ年間で1万4,000キロカロリー ――約2キログラム減量できます。 やり方も簡単な上、時間もかからず道具も要らず、だれでもでき、毎日続ければメタボ対策や心と体のリフレッシュ効果、肩こりや腰痛に効く等、子供から主婦、ビジネスマンとだれもが簡単に健康増進につながるすぐれた運動です。 また、ラジオ体操は健康づくりや人の輪づくりなどにも大変有効なツールです。市民総参加のスポーツとして、介護予防や健康スポーツとして積極的に取り入れてはいかがでしょうか。当局の御見解をお伺いいたします。 最後に、通学路の安全対策について。 本年4月以降、京都府亀山市や千葉県館山市などで登下校中の児童の列に自動車が突っ込み、死傷者が発生する痛ましい事故が相次いでおります。 これを受けて、文部科学省は、学校の通学路の安全確保のため、市町村、教育委員会や関係機関が共同して通学路の安全点検や安全確保を図る、通学路における緊急合同点検等の実施要領についての通知が出されました。 関係機関に児童・生徒に危険な場所を把握するよう促すとともに、その上で、車道と歩道が分かれているか、歩道の幅が児童・生徒の通行に十分か、見通しが悪くないかなどチェック項目を示し、問題があれば改善を要請するものです。今回の通知は、公明党の文科部会の通学路の安全対策プロジェクトチームが行った緊急提言を踏まえたものであり、提言では、子供の視点に立って全国的な通学路の安全点検調査を行うことや、学校・警察などの連携強化・安全対策など徹底するためのものです。 あすを担う子供たちが、登下校中に悲惨な事故に遭わないことを願って、1、我が町における通学途中の事故の状況について、2、通学路総点検による安全対策の取り組みについて、3、道路のセンターラインをなくしたり、路側帯の拡幅、カラー舗装にするなどのハード面の取り組みについてお伺いします。 以上、壇上での質問を終わります。 ◎市長(福田良彦君)  越澤議員御質問第1点目の再生可能エネルギーの推進についての中の(1)エネルギー政策の基本的な考え方についてお答えいたします。 我が国におきましては、エネルギーの中心となっている化石燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っている状況であり、エネルギー自給率が、原子力発電を除くと、わずか4%であることから、今後も安定的にエネルギーを確保していくため、化石燃料にかわるエネルギーの確保が課題となっております。 このため、議員御案内のとおり、昨今では環境に優しい再生可能エネルギーの活用への期待が高まっており、未利用の市有地等へのメガソーラーの企業誘致や、公共施設に太陽光発電等の設備を構築することによる消費電力量の削減に取り組む自治体もふえてきております。 本市におきましても、庁舎屋上に太陽光発電システムを設置し、再生可能エネルギーの必要性をアピールするとともに、機会あるごとに省エネの推進啓発に努めているところでございます。 また、再生可能エネルギーの代表格ともいえる太陽光を利用したメガソーラーの企業誘致につきましても、適地について提案している状況でございます。 今後につきましては、本年7月に、電力の固定価格買い取り制度も開始され、遊休地等を活用したメガソーラーなどの導入機運が、さらに高まってくると考えられることから、引き続き、関連企業の誘致に努めていきたいと考えております。 また、環境負荷の軽減にもつながる、再生可能エネルギーの導入につきましては、太陽光発電以外にも、小水力発電などの方法があるようでございますので、今後、全国の事例等も参考にしながら、具体的にどのような方法が可能であるのか、検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎水道事業管理者(上村高志君)  第1点目の再生可能エネルギーの推進についての2、小水力発電等の導入についてにお答えいたします。 水道事業は、言うまでもなく、安全な水道水をつくり、これを各家庭に安定的に給水するものでございまして、その動力の大半は電力に頼っており、年間使用電力量は、実に約718万キロワットアワーに上り、電力使用料金は年間約1億1,300万円を要しているのが現状でございます。 そうした中で、小水力発電や太陽光発電などの設置につきましては、再生可能エネルギーとして、地球温暖化問題にも貢献できる自然エネルギーを利用した発電システムであり、特に原子力発電所の停止問題の中で、大変重要であると考えております。 これまで、小水力発電や太陽光発電の導入につきましては、種々検討したことはございますが、単独での設置につきましては、設置費用、設置場所などの問題でどうしても踏み切れない状況でございました。 しかしながら、議員御提案のように、今回、水道施設耐震化10カ年計画を策定し、錦見浄水場や牛野谷配水地などの大規模な施設整備を行うに当たって、十分検討の余地があると判断いたしております。 また、小水力発電や太陽光発電が設置できれば、通常の電力使用ばかりでなく、災害時の非常用電源としても活用できるものと考えられます。 既に他都市の水道事業体で設置された事例もございます。水道施設耐震化10カ年計画の中で、今後、各施設ごとに基本設計を行ってまいりますが、その中で設置について十分検討してみたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎総務部長(藤井章裕君)  第2点目の省エネ対策についての(1)現状と今後の取り組みについてお答えいたします。 夏季の省エネルギー対策につきましては、去る5月18日、政府の省エネルギー・省資源対策推進会議省庁連絡会議において、「夏季の省エネルギー対策について」を決定されました。 東日本大震災を契機とする電力供給不足については、我が国全体で取り組むべき喫緊の課題であり、日常生活や経済活動に極力影響を及ぼさない範囲で、より一層の節電を図っていかなければならないものとされています。 本市における省エネ対策でございますが、各部署において、さまざまな施設を擁しておりますため、少しPRになるかもわかりませんけど、今回は本庁舎を代表例としてお答えいたします。 本庁舎は、平成20年3月に「協働・共生のまちづくりを目指す、環境と共生する庁舎」として完成したものでございますが、その設計段階から各種の省エネ対策の実現を念頭に建設いたしました。 その代表例としましては、深夜電力の利用、高効率の照明の採用、照明・空調の中央制御、二重窓による空調負荷の軽減などが挙げられるほか、雨水の利用や太陽光発電の採用、屋上緑化なども環境負荷の軽減の一助になっているものと考えております。 節電対策における現状を申し上げますと、一般的にオフィスの電力消費の約半分を占めると言われる空調設備について、本庁舎においては、その熱源機器として、電気を使用する冷凍機と、灯油を使用する冷温水発生機がございます。通常は、電力供給のピークとなる日中を避け、深夜電力を利用して庁舎地下に設置されている蓄熱槽に冷温水を蓄え、必要な熱量を確保しております。 また、庁舎1階玄関ロビー空調に使用する外気については、直接取り入れるのではなく、一たん地中を通すことによって年間を通じて温度変動の少ないメリットを有効に活用できる「アースチューブ方式」を採用し、空調負荷の軽減を図っております。さらに、平成22年度において、国の経済対策交付金を財源として、本庁舎窓ガラスに省エネフィルムを張りつけており、空調負荷の軽減を図っています。 一方、電力消費の約4分の1を占めるとされる照明については、各室の機能や目的に応じたものとし、設計当時においてランニングコスト及びメンテナンスを考慮した結果、Hf型蛍光灯――これは高周波点灯専用蛍光ランプというものでございますが、その蛍光灯を主体として設置しております。また、事務室部分は初期照度補正機能つきのタイプとしたほか、昼光センサーによる執務室部分の調光制御や、各階のリフレッシュコーナーやトイレにおける人感センサーによる制御など、省エネルギーに努めているところでございます。 また、明るさを多く必要としないロビーや通路などにおいては、ブラインドの開閉による明るさの調整を行ったり、点灯箇所を減らしたり、電球そのものを間引いたりするなどして、節電に努めております。 なお、今後の取り組みについてでございますが、本庁舎が本来持っている節電に対応する各種機能を引き続き有効に活用するだけでなく、従前から実施している節電に対する取り組みを、今後とも各部署、各施設において、より徹底を図ってまいりたいと考えております。特に、消費電力の多くを占めると言われる空調の稼動については、事務効率に影響のない範囲で適切な室内温度設定をするなど、節電に努めてまいりたいと考えております。 また、不必要なOA機器の電源を落としたり、スタンバイモードを活用したりすることや、これからの季節において利用の必要性が薄いトイレの座面や洗浄水の温度機能の停止や、湯沸かし室における電気温水器や各部署における電気ポットやコーヒーメーカーなどのスイッチを小まめに切るなど、本庁舎のみならず、他の施設におきましても、できることから市を挙げて節電に取り組むことにより、厳しい状況が予想されるこの夏の電力需給状況に対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  第3点目の市民の健康増進についての(1)がん検診受診率の向上についてにお答えします。 国のがん検診の受診率の対応でございますが、先ほど議員が言われましたとおりでございます。 なお、山口県におきましても、平成20年3月に山口県がん対策推進計画を策定し、検診受診率の目標を50%以上と掲げております。 本市におきましては、岩国市総合計画における検診受診率の目標を25%としているところですが、平成21年度11.8%、平成22年度13.6%、平成23年度15.1%と若干向上してはいるものの、依然低迷している現状でございます。 国の受診率向上の施策として、平成21年度から女性特有のがん検診推進事業が開始され、本市でも、平成21年10月から「女性特有のがん検診無料クーポン券」の交付を開始いたしました。さらに、平成23年度には、がん検診推進事業として平成23年10月から「大腸がん検診無料クーポン券」の交付を開始しております。その結果、受診率の向上が図られたところでございます。 がん検診受診率の向上についての取り組みですが、平成23年度におきましては、がん検診受診券と特定健康診査受診券を1枚にすることにより、がん検診と特定健康診査の同時受診の推進を図りました。 また、働く世代の人が受診しやすいよう、集団検診は土曜日、日曜日の実施をふやし、受診機会の充実を図っております。 さらに、女性のがん検診受診率向上に向けた取り組みといたしましては、前年度の未受診者に対して受診券を発送することで受診を促したり、市民が主体的に検診の輪を広げていくことを目的とした、無料体験検診及びグループがん検診を実施いたしております。無料体験検診の受診者については、「がん検診受けよう呼びかけ大使」として、市民の視点で啓発活動を推進していただいているところです。 また、今年度新たに行う受診率向上の取り組みですが、胃がん検診について、バリウム検査のほか新たに内視鏡検査を開始し、受診者の選択肢を広げております。 さらに、未受診者対策としては、40歳及び50歳に到達する未受診者に対し、電話による受診勧奨を行う予定としております。 今後も、がんで亡くなる方を一人でも少なくするために、県や個人顧客を対象とする企業、スーパーマーケットなど集客力のある企業との連携を図り、がん検診受診勧奨のチラシ配布やポスター掲示を行うなど、がん検診の受診に結びつく啓発活動を行うことにより受診率向上に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、(3)の健康増進のためのラジオ体操の普及についてにお答えします。 御案内のとおり、ラジオ体操は、体を満遍なく動かすために必要な種類の運動を組み合わせてつくられており、健康な人なら負荷も少なく、場所やお金が要らず、だれでも手軽にできる体操です。これを毎日続け、全身を動かし、ふだんの生活では使用しない筋肉や関節を十分動かすことによって、柔軟性の向上、肩こりや腰痛の予防・回復が期待できると言われております。 本市におけるラジオ体操を取り入れた活動としましては、地域におけるさまざまなグループや高齢者のサロンでのラジオ体操、子供会で夏休み中に実施するラジオ体操、小・中学校の運動会、また職場での就業前やスポーツイベントにおける準備運動としても実施されていると聞いております。 中でも、岩国市健康づくり計画推進団体の一つでございます美川地域部会では「夏休みのラジオ体操を子どもと一緒にして盛り上げよう!」をテーマに小学生だけでなく、今まで参加のなかった中学生や保護者・高齢者も一緒に地域全体でラジオ体操に参加されております。 また、錦地域部会では「ラジオ体操を広めよう!」をテーマに、ラジオ体操の効果もあわせて伝える活動をされておられます。 岩国市では、岩国市健康づくり計画において、市民総出の健康づくりを一つの柱として、健康づくり推進強調月間の実施、市民健康スポーツのつどいの開催など、市民全体の健康意識の底上げを図ることを目指しております。ラジオ体操を取り入れた活動を地域で展開することは、健康づくりだけにとどまらず、仲間づくり、互いの見守り活動にもなっており、大変幅広い効果が期待できると認識をしております。 市としましては、健康増進のためのラジオ体操の効用や実践している地域・グループの紹介を、広報等で発信していくなどの普及を提唱していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎地域医療担当部長(村岡一男君)  第3点目の市民の健康増進についてのうち(2)小児がん対策についてお答えいたします。 日本のがん対策につきましては、国が策定しました昭和59年の「対がん10カ年総合戦略」、平成6年の「がん克服新10か年戦略」及び平成16年の「第3次対がん10か年総合戦略」に基づいて取り組まれてきました。さらに、がん対策のより一層の推進を図るため、がん対策基本法が平成19年4月に施行され、がん対策を総合的かつ計画的に推進するための「がん対策推進基本計画」が平成19年6月に策定されております。 この基本計画の策定から5年が経過した中、国におきましては、当該基本計画の見直しを行い、平成24年度から平成28年度までの5年程度の期間を目安として、がん対策の推進に関する基本的な計画を明らかにし、各分野に即した取り組むべき施策を定めていくこととしており、新たに小児がん対策に関する施策も盛り込まれることになっております。 小児がんは、生まれたときから15歳までに見られる悪性腫瘍の総称であります。悪性腫瘍は、通常は治療しないで放置しておきますと、腫瘍が周囲に広がり、リンパ節や静脈を伝わって転移し、最終的には命を脅かすものと言われております。 厚生労働省によりますと、小児がんの年間患者数は2,000人から2,500人で、小児がんを扱う施設は200程度と推定しており、医療機関によっては少ない経験の中で医療が行われている可能性があり、小児がん患者が必ずしも適切な医療を受けられていないことが懸念されております。 また、治療による合併症に加え、成長発達期の治療により、治癒した後も発育・発達障害、内分泌障害、臓器障害、性腺障害、高次脳機能障害、二次がんなどの問題があり、診断後、長期にわたって日常生活や就学・就労に支障を来すこともあるため、患者の教育や自立と患者を支える家族に向けた長期的な支援や配慮が必要と考えられております。さらに、現状を示すデータも限られ、治療や医療機関に関する情報が少なく、心理社会的な問題への対応を含めた相談・支援体制やセカンドオピニオン体制も不十分と考えられております。 そうした中、国におきましては、小児がん患者とその家族が安心して適切な医療や支援を受けられるような環境の整備を目指し、5年以内に小児がん拠点病院を整備し、小児がんの中核的な機関の整備を開始することを目標に、取り組むべき施策を定めていくこととしております。 本市における小児がん患者やその家族などへの相談・支援体制につきましては、国立病院機構岩国医療センターが、地域がん治療連携拠点病院に指定されており、手術・抗がん剤・放射線治療などを組み合わせた集学的治療、緩和ケアの整備、セカンドオピニオン体制の整備、在宅医療の支援などを行うとともに、がん患者やその家族などに対して、がんに関する情報提供や日常生活などの相談支援に努められているところであります。 市といたしましても、小児がん対策の必要性は十分認識しているところであり、今後の国の動向を注視するとともに、あらゆる機会を利用して県と連携を図りながら情報収集などに努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◎教育長(佐倉弘之甫君)  4点目の通学路の安全対策についての(1)通学途中等の事故についてお答えいたします。 市内小・中学校における通学途中の事故の発生件数は、昨年度は2件、今年度は1件です。 いずれの事案も、中学生の自転車にかかわるものです。昨年度の事故は、見通しの悪い道での軽トラックとの接触事故と、後方不注意による軽自動車との接触事故です。双方とも、被災状況は軽傷ですり傷と打撲のみでした。 今年度の事案も、中学生が登校途中、自転車の運転操作を誤り、左側の壁に当たりそうになったため、右側にハンドルを切ったところ、前から来た車に接触したものです。幸いにも、被災状況は自転車前輪の破損でした。これらの事故原因として、見通しが悪いこと、現場は道が狭く、歩行者、自転車、自動車の3者が車道を通ること、事故にあった中学生の不注意や自転車の運転操作ミスが上げられます。 3件の事故につきましては、学校で当該生徒を初め、全生徒への交通安全指導を実施し、今後の事故防止と交通安全に努めております。 次に、(2)通学路総点検による安全対策の取り組みについてお答えいたします。 市内全小・中学校では、通学路の総点検を行っています。そして、点検によって、通学路を変更した小学校は36校中3校、中学校は16校中2校です。変更した理由として、交通量の多さ、路側帯の広さといった道路環境を上げています。 現在、各校では、交通安全の指導を通し、歩行の仕方や自転車運転の技術を向上させるとともに、登下校時の危険を認識し、状況に応じた的確な判断をして、みずからの安全を確保するための行動ができるよう安全指導に取り組んでおります。また、学校安全ボランティアや見守り隊等、地域・保護者・警察との連携も進んでいるところでございます。 今後も、関係各課等とも連携を図りつつ、交通安全教育の推進と通学路の危険箇所等の注意喚起をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、(3)路側帯の拡幅、カラー舗装等、ハード面の取り組みについてお答えいたします。 本市における路側帯の拡幅、カラー舗装等における取り組みといたしましては、歩行者及び自転車利用者の安全な通行を確保するため、平成19年度より、麻里布地区を中心とする「あんしん歩行エリア」、約130ヘクタールにおきまして、ベージュ系の通行帯を標準色とする整備に重点的に取り組んでおります。さらに、地元関係者の要望により通学路である市道旭町24号線につきましても、一部、路面のカラー化を実施いたしました。 通学路の安全確保につきましては、警察、地元関係者などと連携しパトロールを実施しているところです。また、地元からの危険箇所の改善要望がありました場合には、現地調査を行いまして、危険と判断したものについては随時整備しているところです。 そのほか、安全施設の信号機、横断歩道の設置や歩道整備などの改善に時間を要する要望につきましては、公安委員会などの関係機関や地元関係者との調整を行い、整備に努めていくこととしております。 通学路の対策としましては、総点検調査を実施いたしますので、これらの点検結果に基づき、県公安委員会と連携いたしまして、路側帯の拡幅、路面のカラー化などの即効性の高い事業に積極的に取り組み、危険箇所の解消に努めてまいります。 今後とも、通学路の安全対策につきましては、学校、道路管理者、警察及び地元関係者などと協議し、連携して安全確保に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆4番(越澤二代君)  それでは、時間が余りありませんが、再質問をさせていただきます。 まず、小水力発電については、本当に前向きな御答弁をいただいておりますが、現在、小水力発電を実施している半数が水道事業管理者というふうに、全国的な事例を見てもなっております。先進事例もしっかりと参考にされて、適地の選定、発電量なども含めて効果のあるものをしっかりと計画の中で進めていただけたらと、大変タイムリーな時期だろうというふうに思っておりますので、今後よろしくお願いいたします。 もう一つ水力発電のことについてなんですが、御答弁の中で、再生可能エネルギーについては、今後、全国の事例等を参考にして具体的にどのような方法が可能なのか検討されるということで、前向きに検討いただけるというふうに思っておりますが、農業用かんがい水路を利用した発電も注目されているところです。その点についてはどのように考えておられますでしょうか。 ◎農林水産担当部長(前川冨美男君)  昨今、環境に優しい自然エネルギーの活用ということで期待が高まっている中でございますが、農業用かんがい水路を利用した発電が注目されております。その要因としては、日本の国土の多くを中山間地域が占める、そのほとんどの地域において農業が営まれ、多くの水路が張りめぐらされております。その農業用かんがい水路の発電への利用につきましては、農閑期の用水、引き込み水やその管理、課題への対応策が検討され、実施へと進められていくことになると考えておりますが、岩国市としましても、市の8割が森林も含めた中山間地域になるということでございますので、今後、展開されていくさまざまな資源活用の可能性に注視しながら、柔軟に対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆4番(越澤二代君)  全国ではこの再生可能エネルギーについて、本当に多くの取り組みをされておられました。 これは一つの例なんですけど、山梨県の都留市というところでは、家中川という川があるわけですけど、そこに市民発電所をつくられております。この市民発電所から得られた電力で、庁舎の約半分ぐらいを賄っている。 これをつくるに当たっては、いろんな助成制度もありますけれども、市民に声をかけたところ、目標以上の方々の賛同を得られて、市民公募債でつくられております。そういったような例もございます。岩国は豊富な水がありますので、今後そういう先進事例も参考にして、進めていただけたらというふうに思います。 時間がありませんので、次に省エネ対策の節電というところで、議長の許可を得ておりますので、きょうはうちわを持たさせていただきました。これは、現在節電に取り組んでいる自治体の多くが、ただいま節電中という「節電うちわ」です。先ほどの御答弁にもありましたけれども、消費電力の多くを空調の稼働で費やしているということで、空調の温度を上げられると大変暑いので、岩国市は温度設定――適切な室内温度にということで何度という目標は掲げられておられないんですか。 ◎総務部長(藤井章裕君)  28度に設定いたしております。 ◆4番(越澤二代君)  28度に設定されるということなので、どうしても暑いというような状況もあります。そういったときに市民の方が来られたときに、この節電うちわが置いてあったら、「節電中だからちょっと暑いんだわ。使おうかな」ということで非常に効果があるようです。 せんだって視察に行った名古屋では、受付のカウンターのところにつぼが置いてありまして、この節電うちわが置いてありました。きょう持ってきたのは埼玉県の例なんですけど、ホームページにこのうちわの型紙のデータだけがあるんです。それをダウンロードして、自分のところにあるいろんなキャンペーンでいただいたようなうちわに張りつけてきただけです。 今暑いのは節電中だからなんだと、市民の意識啓発にもなるし、まだ欲を言えば、名古屋では、企業にこの節電うちわをつくっていただいて、ここに企業のコマーシャルを入れてやっているという取り組みをされているところもあります。ことしは間に合わないかもしれませんが、ぜひ意識啓発のためにこういった節電のうちわ――節電といえばうちわというぐらいの効果があると思いますので、提案をしておきたいと思います。いかがでしょうか。 ◎総務部長(藤井章裕君)  今おっしゃいましたように、名古屋の図書館で企業に対しうちわの提供者を募集されたと聞いております。確かに議員もおっしゃいましたように、今そういう手続をとりますと、ちょっと夏が過ぎてしまうような気がいたしております。 そうした中で、行政だけではなく、民間の力をおかりしてそうした対策を講じる、民間の力を市の施策、サービスに生かしていくという発想は、私ども職員一人一人がそういう感覚で仕事をしていかなくてはいけないと強く認識いたしております。 だから、うちわに限らず、いろんなところでそういうことを見出すことができるかもわかりません。そういう発想を持って今後対応してまいりたいと考えております。 ◆4番(越澤二代君)  ちょっと発想を変えればいろんなことが見えてくると思いますので、どうかよろしく取り組みをお願いいたします。 次に、がん対策についてお伺いいたします。壇上でも言いましたが、がんに対する正しい理解が広まれば、受診率の向上につながるというふうにも言われております。がんに対する知識や情報提供の取り組みについては、どのようにされているのか、お伺いいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  正しい知識の普及を図るということにつきましては、大変重要なことであると認識しております。市におきましては、広報紙「お元気ですか」、またホームページ等におきまして検診の重要性についての啓発を行っております。 それから、各地域部会での健康づくり推進強調月間、そのほか昨年度から始まっておりますIKB48、これは岩国検診ブースター ――推進者ということでございますが、圏域の企業・団体等と一緒になりまして、がん検診の輪を広げるための活動を展開しております。県と共催でございます。 ◆4番(越澤二代君)  情報提供といってもなかなか難しく、提供しても読んでもらえなければ全然意味のないことにもなるというふうにも思っておりますが、厚労省の研究班の調査では、受診率向上のために何らかの方法で対象者全員に受診勧奨をしている、案内を出しているという市町村が約半数あるというふうに伺っております。 現状岩国では、対象者への受診勧奨についてはどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  市におきましては、対象者につきましては一定年齢以上の市民全体ということはとらえております。ただ、受診券の発送対象者でございますが、これは10歳刻み、また過去5年以内に1種類でもがん検診の受診歴のある方にはお送りしておるということになっております。 会社等にお勤めの方で受診機会のある方には、現在は、費用対効果の面から受診券については発送していないという状況でございます。 ◆4番(越澤二代君)  受診券が届いていないということも受診率の向上につながらない一つであるというふうに思っております。国が受診率50%を目指している。県も50%を目指している。でも、岩国市の総合計画ではこの目標が25%となっています。21年、22年、23年の実績から見れば、23年度が15.1%ですから、一気に50%にはならんから25%でいいだろうということだろうというふうに思いますが、やはり目標をきちんと見据えた上で取り組みをしていく必要があるというふうに思います。この点についてはいかがでしょうか。 ◎健康福祉部長(廣田茂基君)  確かに国県の目標の半分ということでございます。これは市の総合計画におきまして、設定しております。当面の現実的な目標ということで設定しておりました。次期の基本計画での目標設定につきましては、少しでも設定を高くできますように努めて検討してまいりたいと考えております。 ◆4番(越澤二代君)  やはりきちんとした目標の上で、いろんな対策を練っていくということは重要だろうと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、小児がんについてなんですけども、かつて私の知っている人の子供さんが小児がんで非常に苦しんでおられる姿を見て、どうしてあげたらいいんだろうかというふうな思いでかかわったことがございます。 家族にとっては、子供の病気というのは大変大きな悩みであるし、心配事なんです。そういう中で、国のほうも小児がん対策については適切な医療が受けられないことが懸念されるということで、これから5年間かけていろんな施策を打ってこられるというふうに思いますが、岩国市の今の状況――小児がんの発症率についてはわかりますか。 ◎地域医療担当部長(村岡一男君)  市内で小児科の診療科目があり、また入院施設のある医療機関といたしまして医師会病院、これにつきましては、外来で小児がんが見つかれば山口大学医学部附属病院を紹介するとか、近くの広島大学医学部病院を紹介する。また岩国医療センターにつきましては、入院実績といたしまして平成21年度はゼロでございますが、平成22年度は3人の入院患者がおりまして、23年度につきましてはゼロです。 ◆4番(越澤二代君)  全国で2,000人から2,500人ということは、この地域にもそういったことで悩んでおられる御家庭もあると。 これは大変大きな課題だろうというふうに思いますが、最近「がん難民」という言葉をよく聞きます。これは、がん治療のために全国の最先端の医療を求めて移動される方のことを言われるようです。先進的な放射線治療装置などを求めておられる方もたくさんおられます。将来、岩国市の医療のあり方として、医療先進地としての取り組みについてはどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。 ◎地域医療担当部長(村岡一男君)  なかなか鋭い再質問です、御指摘の件は国内に3カ所ある施設だと思います。今中国5県のうち、岡山県を除きましてがんの受診率が低いというのは確かでございます。それが、将来的に何を意味するかということになりまして、そういう施設が岩国に来ればがん難民という言葉ではなくて、岩国市民だけではなく、中国地方、四国地方も含めた広域において、最先端の医療で皆さんが救われる可能性はあるとは思います。 ◆4番(越澤二代君)  夢のような話ですが、実現できればというふうに思っております。 それでは、次にラジオ体操についてなんですけども、私たちの地域で今ラジオ体操を始めました。私も会社に勤めているときは毎朝ラジオ体操をして、その当時はスリムな体をしておりました。今はやめてから10年たちますので、その効果が十分にあらわれているというふうに思っておりますが、やはり一番簡単にできて、やればすごい気持ちがいい。これをやっていこうと思えば、本当にきちんとやらないと意味がないというふうに思いますので、これから健康部門なのか、スポーツ振興なのかというふうに取り組みについてはあろうかと思います。きょうはそれをやる時間がございませんので、まず、庁舎というか、職員の健康増進を図るという意味からも、まず職員から実施をされてみるのもいいと思うんです。朝礼の後だとか、始業前だとか、休憩時間だとか、午後3時だとか本当にリフレッシュ効果を兼ねたものでございますので、それを一つの足がかりにして次に進めていけたらというふうにも思っておりますが、その点についてはいかがお考えでしょうか。 ◎総務部長(藤井章裕君)  役所におきましては、始業前に市民の方々が待っておられたら時間が来なくてもサービスをするという形で、最善の対応をさせていただいているところでございます。そこに体操の音楽をというのはなかなか気が引けるところもあるわけでございまして、かける時間帯というのはいろいろと検討していくことが必要ではないかとは思っております。 ◆4番(越澤二代君)  市民も巻き込んでということになりますので、お一人でいらっしゃる方もいるかと思いますが、時間帯とかできるところからぜひ検討してみてもらえたらというふうに思います。 時間がありませんので、最後に通学路の安全対策ということで、今回バス停で待っているところに車が突っ込んできて、待っている子供さんとお母さんが事故に遭ったとか、集団登校で歩道を歩いているところに車が突っ込んできて、子供が亡くなり、お母さんが亡くなり、見守りでついておられた妊娠されていたお母さんも一緒に亡くなられたといったような事故が、全国でこの4月、5月に相次いだというところでございます。 こういった中で、今回の事故の教訓として、やはり学校は一生懸命通学路の安全点検もし、また、いろんな学校安全ボランティアの方も、本当に子供たちの安全のために動いてきてくださっております。そういったことで、やはりハード面の取り組みが非常に重要なんだろうというふうに思いました。 多くの児童・生徒が信号機のようなところに、通学時間帯に瞬間的に集まるんです。そこにあふれるぐらい子供がいたりするところもあります。国土交通省は、そういう狭隘なところにはセンターラインをのけてでも拡幅したらいいというふうにも言っておりますので、そういったような拡幅や、また待つところにガードパイプをつけるとか、そういったようなハード面の対策が重要だろうというふうに思いますので、しっかり点検して、地域・学校・道路課でハード面も含めて検討していただきたいと思います。 具体的な一例なんですけども、私たちの住んでいる地域でも、門前川の愛川橋のところなんですけど、交差点があって、住民の方々からこれまで何度も要望されておりました。要するに待合場が狭いというか、そういうふうなところがございます。認識されておられますでしょうか。また、そのことについてどのように考えておられるか、お伺いいたします。 ◎都市建設部長(山本和清君)  議員御指摘の箇所につきましては、以前より地域の住民の方から危ないという形でいろんな御要望をいただいているとこでございます。 この部分につきましては、県から移管され、市道として今年度から管理をしているところでございます。当部分につきましては、歩行者と通学者の安全を確保するために県と協議いたしまして、歩道部分のたまり場、それから路側帯等の一部につきまして施工するということで、今対応しているところでございます。 ◆4番(越澤二代君)  こういう私たちの地域だけではなく、いろんなところで通学時間帯はばさっと子供たちがたまりますので、そういったところの安全点検も含めてしっかりとお取り組みをしていただけたらというふうに思います。 以上で、一般質問を終わります。 ○議長(松本久次君)  以上で、4番 越澤二代さんの一般質問を終了いたします。 ◎市長(福田良彦君)  発言の取り消しをお願いしたいんです。 ○議長(松本久次君)  当局より発言の申し出がありますので、これを許可いたします。 ◎市長(福田良彦君)  先ほどの坪田議員の質問に対する総合政策部長の答弁のうち、JRに関する部分について誤解を招くような表現がありましたので、削除をお願いしたいと思います。 まず、JRにおかれましては、岩国駅の改築、バリアフリー化に向けて真摯に対応、協議をしていただいております。その間でいろいろと意見交換もしております。そういった中で、先ほど発言の中で………………………………………その発言の部分については事実に反するものであり、この部分の取り消しをお願いしたいと思っております。議長においてお取り計らいのほう、よろしくお願いいたします。 ○議長(松本久次君)  ただいまの発言の取り消しの申し出について、会議規則第65条の規定に準じ、これを許可することに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(松本久次君)  御異議なしと認めます。よって、発言の訂正を許可することに決しました。 なお、私のほうから一言申し上げますが、議会での発言は非常に重いものでありますので、当局におかれましては、発言には十分気をつけていただきたいと思います。(「議事進行」と呼ぶ者あり) ◆10番(石本崇君)  昨日、共産党議員より、現在、市内の中学校で使用されている歴史教科書についての質問の中で、事実誤認の箇所がございますので、議事録を精査の上、議長においてはよろしくお取り計らいをお願いしたいと思います。 具体的に申しますと、教科書の中の空襲被害と沖縄戦という項目、具体的にページを申し上げますと219ページ、そこに「4月になると米軍が沖縄本島に上陸し、激しい地上戦が繰り広げられました」、それに関連して、222ページに、「昭和20年3月、アメリカの機動部隊が沖縄に侵攻してきた」、このことをとらえまして、4月と3月、沖縄に上陸するのがどうして違うのかと、この教科書は誤っているんじゃないかともとれる発言がございましたが、先ほど私が読み上げたとおり、教科書には4月は沖縄本島にアメリカが上陸したわけで、3月については沖縄に侵攻を開始し――具体的に申し上げますと、沖縄県の中にあります慶良間列島に侵攻し、そして話が前後しますけれども、4月には沖縄まで上陸したということでございますので、中身は全く一連の流れの中でつながっていますので、事実誤認ではございません。 したがって、国の検定にも通過しております。検定に通ったほかの教科書にも同じような記述がありまして、これは事実誤認ではございませんので、そこらあたりをとらえられて、議長のほうではよろしくお取り計らいを願いたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(松本久次君)  本件につきましては、私のほうで議事録をもとに発言の内容を精査するため、この際、発言の取り消しの留保宣告をいたしておきますので、御了承願います。 ここでお諮りいたします。通告されました一般質問はまだ残されておりますが、本日はこの程度にとどめ、明6月15日午前10時に本会議を再開し、一般質問を続行することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(松本久次君)  御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。午後5時4分 散会 ――――――――――――――――――――――――――――――  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。                         岩国市議会議長  松 本 久 次                         岩国市議会副議長  貴 船   斉                         岩国市議会議員  片 山 原 司                         岩国市議会議員  石 本   崇                         岩国市議会議員  植 野 正 則...